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Start-upの聖地シリコンバレーの現地報告 Vol.3

【Start-upの聖地シリコンバレーの現地報告 Vol.3】 By ロドリガス 晴海
  

I. カリフォルニア州の火事

前回のコラムで、
8月末に発生したカリフォルニアの山火事について
お伝えしましたが、火の勢いは若干落ち着いたものの
今日現在(10月9日日本時間)でもまだ鎮火していません。
この火事面積は一体どのぐらいの広さなのか?と
試算したところ、燃えている部分だけを面積の合計が、
なんと東京ドーム136,141個分(東京ドーム1つを12エーカーで計算)
という数字になりました。
日本の全面積より少しだけ大きいカリフォルニア州で、
これだけ多くの地域が広範囲に燃え上がっていると想像していただくと、
どれだけ恐ろしいかがわかっていただけると思います。

カリフォルニア州の山火事について調べていると
愕然とする事実がわかりました。
それはホームレスが集まって、キャンプ生活している集落から
火事が発生しているということです。
そこには、ガスや水道の設備は勿論ありませんから、
薪などを使って調理をした火が枯草に燃え移り、
炎上するケースが起きているのです。
これらは他の山火事と比べるとボヤの内に通報され、
燃え広がる前に鎮火している場合が多いようですが、
San Joseの消防隊長によると、
今年の夏は、1日平均3回もの
ホームレスエリアからの火事の通報があるそうです。
これは明らかな人災です。

(写真)カリフォルニアのスモッグに覆われた街

9月の後半にやっと顔を出したカリフォルニアの青空も、
今週からまた茶色く濁り、高温と共に茶色い煙が戻って来ました。
前月の執筆時の大気汚染度は165で昼でも外が真っ暗でした。
その後、いったん汚染度が50近くまで下がりましたが、
今週はまた100を越して、健康に害のあるレベルにまで達しています。
気候変動が火災の規模や被害を拡大していると科学者は警告しています。
必死の消火活動は続いていますが、完全鎮火までにはまだ時間がかかりそうです

II. シリコンバレーは息を吹き返せるのか?

シリコンバレーの現在の状態は、
知事より営業自粛の通達を受けていた美容院やネイルサロンといった
Nonessential businessesが条件付きで再開したことにより、
営業自粛の業種は無くなりました。
それでもサロンなどには飛び入りが出来ず、
予約時間に出向いても、
前の方が外に出て完全に消毒が終わるまでは中に入れず、
待合室の椅子にも座れません。
開業医:歯科医、眼科医などはオープンはしていますが、
問診を希望する人は、
予約時に“コロナ感染リスクを了解、自らの意思で治療を受ける“
という合意書にサインしなければ受けつけてもらえません。
歯科医や眼科に行くと、
”ドアには触らないこと。ノックをしたらスタッフが開けます“
という張り紙があります。
私は、眼科で検眼した後、新しい眼鏡を買うことになったのですが、
フレームを選ぶために、
手袋をしたスタッフに鍵のかかったショーウインドーから
いちいちひとつづつフレームを出してもらうのに気が引けて、
適当に決めてしまい、後悔が残りました。
衣類や靴も試着ができませんから、
まず家に帰ったら値札を取らずに試着。
合わなければレシートをもって引き返すということを
何回か経験しました。
ただアメリカの場合は
コロナ以前から。パッケージが開いていても、レシートがなくても
お店で扱っている商品であれば、返品、交換はいつでも可能です。
Costcoでは、レシートやオリジナルのパッケージが無くても、
システムに購入の記録が残っていれば
返品、全額返金ができることは嬉しいことです。
ただいくら簡単に返品ができると言っても
せっかく購入したものを返品に行くという手間はかかりますから、
しっかり選ぶことは大切です。
現在は、店舗に入るにも、6Feet(約2m)の間隔をあけて並び、
一人出たら一人入るというシステムが適用されているので、
買い物をしている時間より並ぶ時間の方が長い時もあります。


(写真)トレーダー・ジョーズの前でソーシャル・ディスタンスを保ちながら店に入るのを待つお客さんたち

先日、PCの備品の不具合があり、
オンラインオーダーを待っていられなかったので、
Fry’sに行ってきました。
Fry’sは日本のビッグカメラのように幅広い製品を扱うチェーン店で、
いつも駐車場は一杯、キャッシャーまでの長い行列の前には
スイーツや面白い小物があり、
つい余計な物まで買ってしまうお店なのですが、
今回、中に入り唖然としました、
人が全くいない!
いつもは入り口に警備員がいて、
カスタマーサービスには返品や修理を待つ長蛇の列、
20以上あるキャッシャーのラインは、
ディズニーランドのライド待ちのような状態なのに、
店内はどこもガラガラ!
こういう風景を見ると、カリフォルニアのビジネスは
まだ生き返っていないのだなと改めて感じます。
コンピューターの陳列エリアには何もなく、
ケーブルの線だけが無残に残っています。
いつもにぎわっている音響機材やゲームエリアにも
視聴する若者たちの姿はなく。
普段は忙しいフロアーの店員さんも見当たりませんでした。
ケーブルの置いてある棚も空っぽ。
普段なら面白い商品群たちが並んでいて、
ついつい立ち止まってしまう陳列棚もほぼ空っぽ。
お目当てのHDMIケーブルさえも手に入れることもできず、
ゴーストタウンのような
広いFry’sの店内を後にしました。
ここでも、コロナによる経済の打撃をまた実感しました、

経済の打撃は小売だけでなく、
在庫にも大きく影響を与えています。
冷蔵庫や洗濯機などの家電製品は、
広告掲載商品でも在庫切れ。
コロナの影響で中国やメキシコでの生産が止まり、
製品や部品が入ってこないことが原因と言われました。
大手メーカー、LGの冷蔵庫は入荷予定が11月末、
GEブランドの入荷は12月の予定とのこと。
使っている家電製品に故障が起きないように祈るばかりです。

コロナ感染による経済打撃は
目に見える所や実感出来る所だけでなく、至る所に及んでいます。
その打撃の波は、シリコンバレーだけでなく
アメリカ中の都市、そして全世界に及び、
全米の経済活動に影響を与えています。
不死鳥と言われてきたシリコンバレーも
息を吹き返すまでにはまだまだ時間がかかりそうです。

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