アメリカ最前線リポートVol.43:アメリカ軍がイランに対する大規模攻撃を開始
ー 今週のリポート ー
アーカス・リツコ(メルマガ編集長)
【アメリカ最前線リポートVol.43】
アメリカ軍がイランに対する大規模攻撃を開始
読者の皆様もご存じの通り、
2月28日、アメリカとイスラエルが合同でイランへの攻撃を開始しました。
トランプ米大統領はこの攻撃を
「Operation Epic Fury(猛烈な怒り作戦)」と名付け、
イランの現体制の崩壊を目的としていると発言しています。
この攻撃により、イラン側の対空レーダーや地対空ミサイル基地など、
初日だけで500カ所以上に及ぶ標的が破壊され、
イランの最高指導者ハメネイ師も殺害されたと報道されています。
その後は、アメリカ軍は攻撃対象を拡大し、
イラン革命防衛隊の司令部や弾道ミサイル関連施設、海軍の艦船など、
イラン全土の1,700以上の標的を攻撃しました。
B2、B1、B52などの爆撃機、F35戦闘機、
無人機、空母や駆逐艦が投入されています。
3月4日の国営イラン通信(IRNA)は、
アメリカとイスラエルによる攻撃で、
イランの死者数が1000人を超えたと報じました。
今回の攻撃の目的としては、
イランの核の脅威排除、弾道ミサイル兵器庫の破壊、
テロ組織ネットワークの弱体化、海軍戦力の壊滅、政権の打倒などが挙げられており、
最高指導者の死亡、海軍司令部の壊滅が報告された後も攻撃は続いており、
トランプ大統領は、
「(攻撃は)目標が全て達成されるまで続く」と述べており、
最長で4週間程度続く可能性も言及しています。
しかし、イランがドバイの空港などが攻撃するなどの報復行動も始まっており、
専門家の間では、紛争が長期化する可能性が高いとの見方も出ています。
諸外国の対応としては、作戦に参加したイスラエルの他には、
ウクライナ、カナダ、オーストラリアが今回の攻撃に賛成の意を表明していますが、
ロシア、中国、ブラジルは軍事攻撃を非難しています。
フランス、ドイツ、イギリスに至っては、
1989年から約37年にわたってイランの最高指導者を務めたアリ・ハメネイ師は、
欧米から「独裁者」の 烙印 を押され、
人権侵害など抑圧者の代表格であったこともあり、
ハメネイ師の粛清については一定の理解を示したものの、
攻撃には直接参加せず、
「これ以上のエスカレーションを避けるべき」との
共通のスタンスを貫き、外交解決を要求しています。
湾岸諸国のサウジアラビア、UAE、カタール、バーレーンなどは、
米軍基地があるため、イランの報復攻撃の標的とされており、複雑な立場です。
日本においては、
イランの核兵器開発は許されない、
外交交渉による解決が重要という立場は一貫しているものの
攻撃を支持も批判もしていない
「中立に近い立場」を取っています。
現在、政府は茂木外務大臣を本部長とする緊急対策本部の立ち上げ、
邦人保護のための情報収集と関係省庁との連携を強化するなどの対応に追われており、
高市総理は、現地滞在者に最新情報の収集と安全確保に努めるよう指示しています。
戦争はいったん始まってしまうと、そう簡単に終わるものではありません。
現段階では、攻撃の停止を求め、
安全保障理事会の開催を要請した
フランスのマクロン大統領が演説で訴えた
「イラン指導部は“核開発計画について誠実な交渉に臨むほかに選択肢はないと理解すべき”であり、
イラン国民に対しては、
“自らの運命を自分自身で自由に決められることを祈念する。
自らの未来は、自らによって自由に築くことができなければならない”のだから」。
という言葉が、一番、まっとうで正しいように思います。





