著作権って何?
ー 今週のコラム ー
清水保彦(クリエイティヴ・ヴィジョン、プランニングディレクター)
【著作権って何?】
著作権。平たく言うと「0」からモノを生み出した人の権利です。
難しい言葉で言うと「原創作物」(文学作品とか、絵とか、音楽とか、写真とか)を作った人が持つ
その作品についての固有の権利です。
この権利は著作権法で守られ、
守られるべき権利には、作品そのものの使用はもちろん、
複製、公開、展示、演奏、派生作品の作成も含まれています。
さて、最近「AI」というもので、
あっと言う間にイラストとか写真とか動画ができてしまいます。
はて? そこで生み出されたものは、誰のものか?という問題が生まれます。
基本的にAIは、学習したものを組み合わせてモノを作ります。
こちらが事前にオリジナルデータを与えたものでない限り、
学習はネット上の情報を吸収することで行われます。
ちなみに下の写真はAIアプリに作成させた画像と、
できた画像をGoogleで画像検索した結果。
どこかにきっと「私の写真じゃん !」と言って来る女性がいそうです。
(大手コーラメーカーからも)
さぁ、ここで問題です。
ネット上で学習(拾い集め)する行為は、複製や派生作品の作成に当たらないのか?
ましてやそれを「僕がAIに作らせたから僕のモノ」として
公開、展示、使用していいのか?
上の写真は僕が作らせたものなので、
僕が作った!! と言っていいのか? という話です。
AIが作ったモノの著作権については
法律的にはまだ最終的な判断が出ていないようですが、
なかなかグレーな所にあると思います。
で、気になる文章が
行政の仕事をされている方も多いと思います。
出くわしませんか?
こんな文章。
「なお、納品された制作物の著作権は本部署に帰属する」
仕様書の最後に、しれっと書いてある。
本来「作者」に帰属する著作権が作者以外に帰属する?
「え?」とは思うものの、
ここでウダウダ言うとコンペに参加することができなくなる。
さらには一回文句を言うと、次のコンペの参加資格もなくなる恐れが ^^
やっちゃいますよね。
納品したイラレ原稿がバラバラにされて、
別のパンレットとかWebサイトとかに
「素材」として流用されてしまっても
この「著作権の帰属」を相手先に認めているので文句も言えない。
コンペだけじゃなく、
「キャッチフレーズ募集」とか「イメージキャラクター募集」とか。
たいてい30万とかせいぜい100万の賞金で著作権根こそぎ持って行かれる。
万博キャラクターの「みゃくみゃく」君の場合、
100万円での著作権買い切りだったと聞くので、
これも「著作権は当協会に帰属する」だったのでしょう。
どれだけキャラクター人形が売れようが、
タイアップ商品で使用料が発生しようが原作者の方には一銭も入らない。
結局万博を大黒字にして終わりです。
金額ではなく、権利の話ですが。
著作権・・・。そういうものなのです。
展示会とかどうなのよ?
展示会でも、ブースデザインとか壁面グラフィックとか、説明パネルとか
デザイナーの出番はいっぱいあります。
展示会だけでなく「広告」全般で見ても、
デザインを含む「制作」の役割はとっても大きく、
売れ行きさえ左右する力があります。
さあ。そのポスター。著作権は?
って、これについては割と明確に過去の事例があるといいます。
元の判例に当たった訳ではありませんが、
前職の広告代理店の「研修」で習いました。
(代理店にも「研修」あるのです)
(初日だけ受けて残りをシカトしたら降格されました ^^)
広告物の著作権は、
「原則として制作側(代理店やクリエイター)に帰属する」のです。
ま。契約次第では買い取りの場合もあって、
その場合は制作費の何倍もの値段になったりします。
使用する媒体の数、
使用する期間などにもよってもお値段は変わってきます。
展示会も、媒体の一つとして考えれば、同じ考え方が適用されます。
たとえば壁面に載せるビジュアル用に制作したグラフィックデータ。
これは、壁面グラフィックとして使うために作ったもので、
それをバラバラにしてチラシを作ったり、
そのまま大きくポスターにしたり、
会社の製品パンフレットに使ったり。
そんな「別使用」は想定していません。
でも、いらっしゃるのです。
「この原稿使いまわせば、他のデザイン費が要らなくなる!」と
お考えになるクライアントが。
「金出してるのはコッチ」
「どう使おうが勝手」と
輩ってくるのはやめてください。
あなたが出しているのは、そのグラフィックの「使用料」です。
別使用には、別にお金が発生しますし、
買い取りたいなら言ってください。
見積もり出しますので。
法律以前の
矜持とマナー
著作権法とかを持ち出さなくても、
僕は他人のデザインをそのまま使おうとは思いません。
企画書作る時だって、
前に誰かが同じ企画を書いてることが分かったら、
完成しつつあっても1から書き変えます
(デザインも企画も知らずに似ることはあると思いますが)
「お金出したから自分のモノ」
「買った後は好きに使い放題・変え放題」
ってのは、「物」の場合だけだと思います。
車だと分かりやすいかな。
自分の車は改造してもいいけど、レンタカーは改造できない。
う~ん。当たり前のこと書いてるなぁ。
でも、この当たり前が制作物ではなかなか理解いただけない。
制作物・創作物は、いつまで経っても誰の手に渡ろうが作者のものです。
「他にないモノを創る」というオリジナリティを創る矜持。
そのオリジナリティを使うマナー。
そこには、法律を持ち出す必要もなく、
あるのはその制作物が生み出す「効果」だけ。
効果をもたらす働きのあるモノが生み出され、
それを生み出す行為に対してお金が支払われる。
あれ?
クリエイターにとっては、
いつまで経っても労働報酬?
てなとこで。
アメリカであれどこであれ。
ブース制作、その他デザインのお仕事。
いつまでも労働報酬から抜け出せない清水が、お待ちしております。








