「日本の今」って何?
ー CVスタッフのコラムー
清水保彦(CV プランニングディレクター)
「日本の今」って何?
清水には、嫌いな言葉が2つあります。
それは「Cool Japan」と「本当の自分」。
(SDGsも嫌いですが、それは別の機会に)
「Cool Japan」は、自分で自分を
Coolって誇っている所が日本人として恥ずかしい。
「本当の自分」は、その言葉に隠れて
自分の短所を“見ない”ことにする狡さが嫌い。
今の自分は本当の自分じゃない。
本当の自分を探しに行くんだ。
って、何?
あんたはあんた以上でも以下でもない。
今の自分を短所も含めて認めないと
いつまでもダメなままやで。
どっか行きたいんやったら別にかまわへんけど。
と、真剣に思うから。
そう思ったところで今回のテーマは
「日本の今」です。
この言葉、今度のアニメエキスポの
ジャパンパビリオンの出展社募集に使いました。
「日本の今を見せに行こう!」と。
Cool Japanでも、本当の日本でもない
「日本の今」って何よ?
と、自問自答の旅が始まるのです。
う~ん。使っちゃってから自問自答するなよ!
って話ですが。
形あるものが文明
形のないものが文化
人間は、色んなものを生み出してきました。
その中で、形あるものを文明。
形なきものを文化と呼ぶという考え方があります。
この定義に従うと、
アニメは日本の立派な文化の一つです。
もともとアニメエキスポは、
日本のアニメとポップカルチャーを
アメリカに広めようとして生まれたイベントで、
最初から「日本の文化」に絞り込まれたイベントなのです。
ここに放り込むべき「日本の今」とは何か?
去年JETROさんがアニメエキスポでやった
「醤油のサンプリング」じゃないよね ^^
(醤油、飲み物じゃないし)
伝統工芸品をそのまま並べるだけも違うよね。
もちろん醤油そのものがダメとか
伝統工芸品そのものを否定するとかそういうわけではないのです。
そこに「今」の視点が入っているかどうか?
それがポップカルチャーをテーマとした
アニメエキスポに出していいかの基準になるのではないかなぁと
そう思ってしまうのです。
博物館や美術館のキュレーターの視点に似ているかもしれません。
あらま。何となく
「日本の今」についての答えが見えてきたようです。
「日本の今」は未来への視点です
この作品を見てみてください。
素材的には伝統的な金屏風です。
モチーフは日本古来の風神雷神図です。
作家は、上田バロンさん。
この方、デジタルのイラストレーターです。
つまり、金箔の上にデジタルプリント。
印刷会社との共同開発で可能になったオリジナル作品。
これは、まさに「日本の今」をそのまま形にしたものだと思います。
もちろんアートだけでなく、ほっとけば消えてしまうかもしれない
昔ながらの伝統技術を
次世代にも受け入れられやすい形にして
製品化しているものとか、
廃れてかけていた技法を復活させて
結果的に山林の保全につながるところまで
経済サイクルを回しているものとか。
「古典とは、常に今であり続けているもの」
という言葉もありますが、
未来においても“今”であり続けたい
という願いを形にしたものが、
まさに「日本の今」なのではないかと。
今がんばっているものから、
ひょっとすると“まだここに無い”ものまで。
過去を懐かしむものではなく、
これから未来を生んでいくもの。
それが「日本の今」なのではないでしょうか。
ま。そんな「日本の今」が
7月4日からのアニメエキスポの
フェスティバックス ジャパンパビリオンに並ぶわけです。
場所は、なんと会場正面入り口入ったところ !
ロサンゼルスコンベンションセンターで皆様のご来場をお待ちしております。
イベントの詳細、お申込み方法については、
↓
https://www.creativevisionworld.com/AX_LP/
まで。