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【アメリカ最前線リポートVol.52 】アメリカ軍がイランを攻撃 、W杯で盛り上がるアメリカで異常事態発生

ー 今週のリポートー
アーカス・リツコ(メルマガ編集長)
【アメリカ最前線リポートVol.52 】
・アメリカ軍がイランを攻撃
・W杯で盛り上がるアメリカで異常事態発生

アメリカ軍がイランを攻撃
7月7日、アメリカ軍は、
ホルムズ海峡付近で起きた一連の商船攻撃への報復として、
イラン産原油の販売に対する制裁を再発動すると発表。
その結果、ブレント原油先物は同日に5%あまり上昇しました。
攻撃と再制裁はトランプ米大統領が
北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席するため、
トルコの首都アンカラを訪れている最中に実施されました。

アメリカ当局者は攻撃の理由として、
7月7日にイランがホルムズ海峡付近のオマーン領海で商船3隻を攻撃したことに触れ、
「これはアメリカとイランとの間で結ばれた覚書の重大な違反に当たる。イランの攻撃的な行動は
不当かつ危険で、停戦の明白な違反である」と攻撃の正当性と主張しています。
その後、アメリカ中央軍は攻撃の終了を発表し、
ホルムズ海峡内およびその周辺のイランの防空システム、指揮統制ネットワーク、
沿岸レーダー基地、対艦ミサイル能力、イスラム革命防衛隊⁠の小型艇60隻以上を攻撃し、
国際貿易回廊を通る交易フローを攻撃し続ける80以上の標的を攻撃し、
イランの攻撃能力を低下させた」と発表しました。

停戦、終戦合意と言いながら、
いったん始まった戦争は終わらないということをまた証明した形になりましたね。
さらには、今回の攻撃が終わったと発表した翌日には、
アメリカ中央軍は、⁠イランに対する新たな攻撃を実施して‌いると発表しています。
この戦争の終結、終戦にはまだまだ時間がかかりそうです。

W杯で盛り上がるアメリカで異常事態
多くの方がご存じとは思いますが、
ワールドカップ(以下、W杯)で盛り上がる(盛り上がっていた?)アメリカで
とんでもないことが起こりました。
ことの発端は、7月1日のアメリカ対ボスニア・ヘルツェゴビナ戦。
アメリカ代表のFWフォラリン・バログン選手が
相手選手の足首を踏みつけ、レッドカードを受け、
一発退場。規定により、次戦には出場できないはずでした。
しかしながら、トランプ大統領が、
国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティノ会長に電話をした後、
処分が1年間猶予され、
バログン選手は6日に開催されたベルギー戦に出場したのです。

バログン選手の処分が猶予されたことを受け、
世界中が騒然としたことは言うまでもありません。
FIFAの規程で猶予が認められていると言え、
この一件で、開催国であり、大国アメリカ大統領なら
ルールも試合結果も覆すことができるという悪しき前例とFIFAに対する不信感と失望を
世界中のサッカーファン(サッカーファンじゃない人にとっても)
植え付けることとなりました。
ちなみに、W杯の歴史において、レッドカードは約190枚出されていますが、
そのうち出場停止処分を免れた選手は、
バログンを除くと、1962年大会のブラジル代表のガリンシャ選手だけだそうです。
この件についても政治的な干渉が疑われたそうです。

7月6日、トランプ大統領はホワイトハウスで記者団に、
バログン選手の処分をインファンティノ氏と協議し
「再審査」を依頼したことを認め、
「退場となったプレーはファウルではなかった」との見解を示した一方で、
インファンティノ氏に対して「(処分の撤回を)指示したことはない。
処分の猶予はFIFAの判断によるものだ」と主張し、
あげくの果てには、「(審判の)過去を調べれば、少し疑わしい人物だ」
と根拠も示さずに審判のことまで非難しました。

真実はどうあれ、トランプ大統領の要請を受け入れたFIFAは完全に権威を失墜し、
今後行われる全ての試合の価値を低下させたと言って良いでしょう。
世界中が見守るサッカーの最高峰の試合に、
開催国のトップが介入するなどありえないことです。
そもそも今のFIFA会長はトランプと近しい関係にあり、
2025年からFIFAのニューヨーク事務所をトランプタワー内に開設したり、
昨年11月にはトランプ大統領にFIFA平和賞を送ったり、
ハーフタイムがあるにも関わらず、
企業のCMのための休憩時間を試合の半ばに強引に設けています。
(これもアメリカ企業、トランプの要請の疑いありと言われています)

この事件については、世界中で様々な論争が巻き起こっており、
UEFA(欧州サッカー連盟)を始めとする様々なサッカー連盟が声明で非難しています。
痛烈なのは、元FIFA会長ゼップ・ブラッター氏のインファンティーノ現会長についてのコメントです。
「我々には211の加盟協会があるのに、インファンティーノ氏は国家元首とばかり話をしている。
サッカーは最も人気のある素晴らしいスポーツで世界のためのものだ。
しかし、今、政治家たちが主導権を握ろうとしているようだ。
私はそれを正しいとは思わない。
FIFA平和賞をトランプ大統領に授与したのも誤りだ。
サッカーが平和のために尽力しているからこそ、
(サッカーを愛する)我々自身こそがいつの日か平和賞を受け取るべきなのだ」と指摘し、
「私の後任(現FIFA代表)はトランプなのか、それともインファンティーノのなのか、わからないね。
2人が親密な関係を築くことを否定するつもりはないが、それがサッカーにとってどのような利益があるのか、私にはわからない」。

本当に、ブラッター氏の仰る通りです。
FIFAは政治的な干渉によって権威を失墜させ、アメリカ代表の今までの努力さえ台無しにしたのです。
そして、迎えた7月6日のアメリカ対ベルギー戦で、
バログン選手は先発出場し、後半追加タイムまでプレーしましたが、
ゴールは獲れず、アメリカチームは1-4で敗れました。
(この後、トランプ大統領が再試合を要請するのではないかという
ジョークが蔓延したのは言うまでもありません)
一番気の毒なのは、ブーイングやバッシングを受けたアメリカチームのメンバーです。

今回の3カ国開催のワールドカップで、
FIFAは90億~110億ドル規模の収益を見込んでいると言われています。
アメリカが開催国として存在感を示したいことは理解しますが、
FIFA現会長と開催国トップの密談で、判定結果が覆されたという疑いが生まれ、
これだけ疑惑が広がりながらも規則適用の透明性について
FIFAが十分な説明責任を果たさなかったことは、
悪しき前例を作り、
本大会に大きな汚点を残すことになったと言えるでしょう。

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