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アメリカの学年末 Celebrations

ー CVスタッフのコラムー
ロドリガス晴海(CV USA)
【アメリカの学年末 Celebrations】

以前、4月のコラムで、
アメリカは入学式や入社式がないとお伝えしましたが、
受験や就職活動で良い学校や企業に
”入る=入口“に重きを置く日本文化と異なり、
アメリカでは学年の終わり”卒業―出口“のCelebrationsを盛大に行います。
6月は学年末、卒業シーズンで、
中学、高校、そして大学を卒業する”卒業生“はその年の主役ですが、
各学年を終了した生徒達も家族や友人達と一緒に1年の成果を祝うイベントを行います。 
これらのCelebrationsの軸となるものは、
”Appreciation(感謝)“と”Achievement(成果)“で、
アメリカでは幼い時から 
”感謝“を表現すること、
そしてできないことを責めるのではなくできたことを讃えあう
習慣が身についていきます。

Teacher’s Appreciation Week
日本の学校環境では理解が難しいイベントかもしれませんが、
5月半ばになると、
「先生やスタッフに感謝する週」というのが設けられます。
学校からのニュースレターなどで、
「先生が好きなものや欲しいものリスト」が配られます。
そして、その週の金曜日には、
生徒たちが自分の言葉でしたためた手書きのカードに
お花や、Amazon、Starbucksなどのギフト券などを添えて渡すことも多いです。

1週間の一例は:
月曜日:Flower Day: 花の絵を描くか、花をプレゼントする
火曜日:Picture Day: 自分と先生の絵を描いて、プレゼントする
水曜日: Snack Day: 先生の好きなスナックをプレゼントする*
*アメリカの小学校ではランチの他に10時にスナックが提供されます。
(給食もスナックもオプションで、自分のスナックやランチの持参も可能です)
この日はクラスのみんながそれぞれが選んだ先生のFavoriteのスナックを
一緒に食べる日です。
木曜日:Favorite Color Day: 先生が好きな色の洋服を着ていく
金曜日:Thank You Card Day:  感謝の気持ちを込めたカードを書く

こんなイベントを通して、
子供達は小さいころから
”感謝をカタチにすること、感謝を表現すること“を学んでいます。


写真:孫の学校のTeacher’s Appreciationで
先生とスタッフ全員(50人分)のカレー、サラダ、焼きそば、ごはん20合!を作り届けました。
パーティー好きな我が家は温めながらサーブできるトレーも自前です。 
(私の子供が小学校の時やっていた我が家のTraditionを孫の代に継続できて嬉しく思います。)

End of the School Year 0pen House
これも 日本の授業参観とは大きく異なります。
学年の最後に家族が子供達のクラスルームを訪ね、
子供の席には、1年間学んだワークブックや、アートの作品が置かれ、
壁にはエッセイやリポート工作などが張り出されて
クラス全員の1年の成果を見ることができます。
卒業生ではない学年の生徒たちも、
その1年の修了の印として、
クラス全員に、独特なAward表彰状が渡されることもよくあります。
アメリカはできたことにフォーカスして褒める文化ですので、
クラスのわんぱくでも”いつも元気”で賞とか、
お勉強が苦手でも、”大きな声で挨拶ができた“賞など
必ずなにか良いことを見つけて表彰状が渡されます。
画一化した一定水準の生徒を育てるのではなく、
それぞれの個性を認めそれを伸ばすことが
アメリカ教育の指針となっていると感じます。 
ちなみに孫のキンダーガーテン(幼稚園)のクラスでは、
先生が、M&M AwardやMilky way Awardと名付けた 
いつも明るく元気とか、他の子に優しい(Sweet)といった
それぞれの表彰の文言に、そのスナックのパックを添えて手渡されました。
 

写真:Milky Way Award表彰状とMilky Wayのパッケージ

教室では、両親、祖父母たちがSmart Phoneで写真を撮りまくるのですが、
平日の午前中にもかかわらず、
父親の参加率の高いことがアメリカの特徴と言えるでしょう。
Open Houseは各学年、各教室を回り、
子どもたちがどんなことを学んでいるのかを知るよい機会です。
自身の子どものクラスだけでなく、
次に進級する学年も見学することができ、
次学年ではどんなことをするのかという心構えもできます。
学校を解放している本当の意味のOpen Houseです。
5年生位になると、ワークブックや工作ではなく、
それぞれがPCに作りこんだスライドショーでプレゼンテーションをすることもあります。
低学年の頃は、“Show and Tell”といった、
自分がクラスメートに披露したいものを(例えばお気に入りの本やぬいぐるみなど)
学校に持っていき、クラスで紹介するというような機会があります。
このように小さいころから大勢の前で
”自分の意見を表現する“練習が良くできているので、
小学校高学年のスライドプレゼンテーションのレベルには圧倒されます。 

常日頃感じているアメリカ文化の特徴ですが、
・ 感謝を言葉やカタチにすること 
・よくできたこと個性を認めそれを伸ばす教育
・人前でも自分の意見を自分の言葉で表現することを
 幼少期から訓練される

学年末の行事を通してもう一度アメリカ人の表現力の原点を感じさせられました。

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