アメリカの展示会の方が歩きやすい
ー CVスタッフのコラムー
By 清水 保彦(CVプランニング・ディレクター)
【アメリカの展示会の方が歩きやすい】
先日、久しぶりに日本の展示会に行ってみました。
会場を回ってみると、何か出展者さんからの「圧」みたいなものを感じました。
通路を先に進みにくいというか、進むのに勇気が要るというか。
帰って来てCESの写真と見比べてみたら、
その理由がなんとなく分かったような気がするのです。
まず、この「圧」に足が止まってしまう。
最初の写真は、その展示会での1コマ。
僕は、この通路を通れなかったです。
2枚目の写真は、今年1月のCES。
1枚目の方が道は空いているのに進みにくい。
2枚目の方が混んでいるけど、歩きやすい。
1枚目はたぶん通路に出ているスタッフが多すぎるんですね。
(ダークな服色のせいもある)
しかも全員、製品チラシを手に
こちらに接近しようと一歩踏み出す体重移動。
なかなか接近する勇気が出ない。
かたやCESでは、スタッフがバーガー食ってるし ^^
注目すべきはバーガーではなく通路にスタッフがいないこと。
もちろんアイコンタクトは積極的だし、
目が合えば微笑んで、話せば熱い想いを語ってくれる。
イカゲームコスとかで目立っていても、
何かを強制的に渡そうとはしないのです。
気になった製品があればこちらから近づいて行きます。
(イカゲームには、型抜き煎餅欲しさに近づきました)
お客は展示会に来ている段階ですでに
気になるものはないか探しているので、
何か目に止まったところにはこちらから寄っていくのです。
はは~ん。チラシの枚数で来場客数測ってるな?
アメリカの展示会に初めて出る日本企業から、
たまに言われるのが「ブース来場者数」目標。
その数字の根拠は日本での「チラシ配布枚数」であることが多いです。
たしかに、持ち込んだ枚数から残った数を引けば、
数字としてはカチっとしたものになる。上にも報告しやすいのでしょう。
でも、それ。
ちゃんと話した相手の数とは違いますから~!
難しくいうと「定量」なのか「定性」なのか
ということになりますが、ここはイメージで。
客観的な効果測定なら、来場者のIDを読み込む
「スキャナ」を使ってほしいところです。
この「スキャナ」。
日本の展示会ではあまり見かけません。
コードの入ったIDの発行から、来場者一人ひとりに渡す手立て。
そのIDを読み込むアプリとハード。
なかなかお金かかりますからね。
それが高くて無理だから、せめてチラシの枚数に頼る。
お気持ち、よ~く分かります。
でも、その枚数を稼ぐために客を引かせてしまっては本末転倒です。
チラシとバーガー
どっちがNG ?
2枚目の写真で、バーガー食べてる席はブースの中です。
フードコートではありません。
フロアマップで確認しました。(するか?)
きっとご飯の時間さえブースから離れられないのでしょう。
スタッフの絶対数が足りない
スタートアップにはよくある話です。
客前でスタッフがご飯を食べていても、
何も思わないアメリカだからかもしれません。
スタバのコーヒーを手にした人が、
そのまま来客対応している姿も見受けます。
(ちょっとカッコ良かったりします)
こんな行為。
日本では、NGでしょう。
でも、展示会出展の効果から見ると、
客を引かせてしまうチラシ配布枚数設定の方がNGです。
日本でも展示会事務局が、出展者マニュアルに入れればいいのに。
「通路でのチラシ配布NG」「ブース内飲食OK」と。