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アメリカ最前線リポート Vol.15

 ー CVスタッフのコラムー     
By アーカス・リツコ(CV メルマガ編集長)

【アメリカ最前線リポート Vol.15】

バイデン大統領アジア訪問
アメリカのバイデン大統領が、5月22日から24日にかけて日本を訪問しました。
2021年1月に就任してから初めてのアジア訪問です。
ブッシュ氏、オバマ氏、トランプ氏と21世紀以降の歴代大統領は、
就任後初となるアジア訪問では中国を訪問していましたが、
今回のバイデン氏の日程には中国訪問はありません。

バイデン大統領の主なスケジュールは、
23日:天皇陛下と会見、日米首脳会議を行い、その後、両者による共同記者会見、
北朝鮮による拉致被害者家族と面会、IPEFの設立行事に出席、日米首脳による夕食会。
24日:日米豪印(クアッド)首脳会談、日米豪印首脳の昼食会。(その後は日印首脳会議)
でした。

「インド太平洋経済枠組みI(PEP)」はバイデン大統領が主導する経済圏構想で、
岸田首相も日本の参加を表明しました。
参加国は日米、韓国、豪州、ニュージーランド、インドのほか、シンガポール、マレーシアなどの
東南アジア諸国連合(ASEAN)の一部など計13か国です。

バイデン氏は日米首相による記者会見で、アメリカの台湾政策は変わらないと表明した後、
記者から、中国が台湾に侵攻した場合に、米国が(台湾を防御するために)
「軍事的」に関与するのかとの問いに「イエス」と答え、
のちにホワイトハウスは「失言」を訂正したものの
中国を刺激する結果となってしまい、
24日夜には、中国外務省は、「日米首脳会談や、日米豪印4か国の枠組み、

クアッドの首脳会合の内容をめぐって、中国に関わる誤った言動などがあった」として、
北京にある日本大使館の志水史雄特命全権公使と緊急に面会し、
不満と懸念を表したとの発表がありました。
こうした中国との緊張感もあり、岸田首相は、日米会談の中では
台湾有事の可能性も念頭に、安全保障分野での連携強化を図ったものとみられます。

続発する銃乱射事件
5月14日、ニューヨーク州バッファローのスーパーマーケットで、
武装した18才の少年が銃を乱射し、10人が死亡、3人が負傷した
衝撃的な事件が起きたばかりのアメリカで、
5月24日、テキサス州ユバルディーにある小学校で、
児童19人、先生2人が銃で殺害されるという痛ましい事件が起こりました。
現場で射殺された犯人はまたもや18才の高校生で、小学校での銃撃の前に、祖母を銃で襲撃した後、
犯行に及んだ模様です。
児童は小学校2~4年の生徒で可愛い盛りの子供たち。
親族の方の気持ちを思うと胸が張り裂ける思いです。
NY州バッファローは黒人が多く住むエリアで、
テキサスのユバルディは、テキサス州の大都市サンアントニオの
西約130キロに位置する人口1万6000人の町で、
メキシコ国境に近く、人口の大半をヒスパニック系が占めるエリア。
二つの事件の犯行の動機がヘイトクライムであるのかは解明中ですが、
こういった事件が起こるたびに高まる銃規制に対するムーブメントが今回こそは
実を結んで欲しいと思わずにはいられません。
18才の子供がゲームを買うような感覚で大量の殺傷兵器を簡単に入手できるシステムは
今すぐ改めるべきです。

テキサスの事件を受け、日本から帰国したばかりのバイデン大統領も、
24日夜、ホワイトハウスで会見を開き、
「もう、うんざりだ。このような銃乱射事件は世界中のどこでもめったに起きないのに、
なぜアメリカでは頻発するのか。この痛みを行動に変え、銃規制に向けて動き出さなくてはならない。
今すぐに」と訴えました。
幼稚園から高校までの学校での銃撃事件は今年に入り少なくとも30件目。
今、やらなければさらなる不幸が起こるのは目に見えています。

銃国家であるアメリカでは、銃の数は人口を上回ります。
日本育ちの私にとって、銃を持つとという選択肢は皆無なのですが、
銃による襲撃事件が相次ぎ、ラスベガスでも乱射事件が起こり、
我が家の数ブロック先で銃による殺人事件が起こたことから
(何か月にも渡る議論の末)とうとう我が家にも銃がやってきました。
「銃を持った人が我が家に押し入った時、どうやって家族を守るのか?
銃で戦うしかないじゃないか」
という夫を論破できなかったのが理由ですが、
いまだにこの選択が正しかったかどうかはわかりません。

銃犯罪から身を守るために銃を持つ風潮が進めば、いつまでたってもアメリカから銃はなくならないからです。

しかし、米国疾病予防管理センター(CDC)が2021年に発表した統計によれば、
2020年には1万9379人が銃犯罪で死亡しています。
(この数字には、銃による自殺は含まれていない)
銃による自殺は、アメリカの銃による年間死亡者数の多く(約3分の2)を占めており、
Gun Violence Archiveによると、2020年の銃による自殺は24,090件ということです。
また、下の表を見てもわかる通り、銃犯罪による年間死亡者数は年々増加しています。

死亡の確率で言えば、銃撃と銃乱射事件を足すと、
その確率は、溺死(1133人に1人)、火災や煙による窒息死(1579人に1人)、
飛行機や船舶での事故(2499人に1人)、刺殺(2517人に1人)、自然災害(2586人に1人)、
食べ物による窒息死(3461人に1人)などをすべて足した確率よりも高くなります。
加えて、銃撃の犠牲者になる確率は、車やトラックなどに乗って死亡する
確率(491人に1人)よりも50%以上高くなり、
ハリケーン、竜巻、地震、洪水、落雷などの自然災害で死亡する確率の10倍になるのです。


アメリカの銃関連による死亡者数
青線:自殺、赤線:銃による殺人

銃がなければ防ぐことができる犯罪や命がたくさんあるにに、
それらからわが身を守るために銃を持たなくてはならないアメリカ社会の闇。
今回犠牲になった小さな子供たちの命を無駄にしないためにも、
大胆な銃規制が進むことを切に願います。

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