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アメリカ最前線リポート Vol.53・・アメリカとカナダが貿易をめぐり対立&・アメリカ中央軍がイランへの空爆を再開

ー 今週のリポートー
アーカス・リツコ(メルマガ編集長)
アメリカ最前線リポート Vol.53

・アメリカとカナダが貿易をめぐり対立
アメリカ政府が、対カナダ追加関税(カナダ産輸入品に対して50%の関税)を8月22日に発動したことを受け、
カナダ政府はこれに対抗する措置として、報復関税の導入を決定しました。
その概要は、2026年9月8日を発動日とし、
アメリカが発動した関税と同額規模(約276億カナダドル相当)を、
主に鉄鋼、電子機器、化粧品など約700品目のアメリカ製造品を対象品目として、
品目に応じて15~50%の課税を行うというもの。
カナダ政府は、この措置を「戦略的」かつ「同等の」対抗手段であると説明しており、
両国間の貿易摩擦が深刻化しています。

トランプ政権は、カナダやメキシコとの貿易において
アメリカが抱える巨額の貿易赤字を削減することを
カナダへの追徴課税の主要な目的の一つとして掲げていますが、
アメリカ国内での反応は芳しくありません。
それは、カナダはアメリカにとって極めて重要な貿易相手国であり、
木材、エネルギー、自動車部品、食品など多岐にわたる品目でサプライチェーンが深く結びついているからです。
アメリカ国内では、関税の転嫁によって小売価格が上昇し、
すでにインフレに敏感になっている家計をさらに圧迫するのではないかという懸念が広がっています。
それを裏付けるように、経済の専門家、企業は、
今後、生活必需品や原材料の価格高騰は避けられないだろうと予想しています。
加えて、カナダとの国境を越えたサプライチェーンに依存している製造業や建設業などからは、
コスト増による競争力の低下や、生産調整を余儀なくされる可能性についての警告も出ています。

「アメリカ・ファースト」を掲げる政権支持層の中には、
国内産業の保護や、不公平な貿易慣行に対する強硬姿勢を評価する声もありますが、
アメリカ国内の反応は、
「短期的な保護貿易の是非」を問う声や
「長期的な経済的コストの不透明さ」に対する懸念を示す人が多数と言えるでしょう。
今後、国民生活への直接的な影響(価格上昇など)が顕在化するにつれ、

今後の経済データや企業業績が世論形成にさらに大きな影響を与えると
考えられており、50%という法外な関税は短絡的と言わざるを得ないと感じます。

・アメリカ中央軍がイランへの空爆を再開
9月1日、アメリカ中央軍は、イランに対する空爆を再開し、
アメリカ東部時間1日午後12時にIRGC関連の目標への攻撃を完了したと発表しました。
この攻撃により、イラン南部のシリクで、ミサイルの破片が結婚披露宴中の民家を直撃し、
4歳の幼い子供を含む4人が殺害され、50人以上が負傷したとイラン赤新月社は報じました。
トランプ大統領は、民間人の死亡は認識しているが、
「我々はIRGCと違って民間人を標的にはしない」と述べた上で、
今回の空爆に対して、イランが報復すれば、「はるかに厳しく、より高いレベル」で攻撃を再開すると警告しています。
このリポートでも何度も述べているように「一度始まった戦争は簡単には終わらない」のです。
多くのアメリカ国民は政府はインフレや国内経済の課題を優先すべきと考えており、
アメリカが中東の紛争に深く関与し、莫大な資金や兵士の命を費やし、
「終わりなき戦争」として延々と続くことを心から忌避しています。

11月6日に行われるアメリカ中間選挙まであと2か月。
第2次トランプ政権発足から
約2年間の成果(経済・外交政策など)に対する国民の審判がどう下るのか
注目していきたいと思います。

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