アメリカ最前線リポート Vol.6
ー CVリポートー
Byアーカス リツコ(CVメルマガ編集長)
アメリカ最前線リポート Vol.6
東京オリンピックが開催しました。
開会式のドローンは圧巻でした。(それ以外のコメントは控えます)
新型コロナ感染の収束の兆しが見えない中での開催に加え、無観客、
暑すぎる気候、数々の懸念、不安、心配、疑念など、
これほどネガティブな要素が揃ったオリンピックも珍しいのではないかと思われますが、
アスリートたちが持てる力を存分に発揮して大問題が起こることなく
閉会式を迎えて欲しいと願います。
アメリカのバイデン大統領は開会式には出席せず、ファースト・レディーのジル夫人のみが
出席しました。
新型コロナの変異株の感染者増加傾向
下記のコラムでも触れますが、アメリカでのコロナウィルス変異株の感染者が急増しています。
ホワイトハウスでも、職員とペロシ下院議長の広報スタッフ(ともにワクチン接種完了済み)が、
新型コロナウイルスに感染した報告されていますし、
米疾病対策センター(CDC)によると、7日間平均で見た1日当たりの感染者数は、
先週末が約3万人と、6月末から2倍超に膨らんでいます。
これによってカリフォルニアなど、一部の地域ではマスク着用を義務化する動きも
出てきたことから、景気回復への警戒が強まっています。
アメリカでは今春以降、新型コロナのワクチン普及を背景に、
今年のGDP(国内総生産)伸び率は7%近くに達する見通しを示し、
ダウ平均は上昇し、史上最高値圏での取引が続いていましたが、
新型コロナウイルスの変異株(デルタ株)の蔓延への脅威から、
7月19日には、ダウ工業株平均が725ドル81セント(2.1%)下落し、
今年最大の下げ幅を記録しました。
ただ、ダウ平均は最高値圏で推移していたこともあり、
米著名投資家のビル・アックマン氏のように、
「(変異株は経済活動再開への脅威にはならず)今秋には力強い経済は復活するだろう」
と楽観的な見方をする人もいる一方で多くの投資家は警戒感を強めています。
ワクチン接種状況も停滞しています。
特に共和党の支持基盤の州のワクチン接種率が伸び悩み、
新規感染者も増えていることから、共和党のミッチ・マコーネル上院院内総務は、
7月20日に連邦議事堂で行った記者会見で、
まだワクチンを接種していない人は、ワクチンに反対する「明らかに良くないアドバイス」
を無視し、接種を行うよう呼びかけました。
アマゾン創業者ベゾス氏 宇宙旅行に成功
7月20日、IT大手アマゾンの創業者ジェフ・ベゾス氏が、
自身が設立した宇宙開発企業「ブルーオリジン」のテキサス州西部にあるロケット打ち上げ拠点で
同社初となる有人飛行宇宙船に搭乗し、宇宙飛行に成功しました。
宇宙船にはベゾス氏と弟のマークさん、そして60年前に宇宙飛行士を目指していた
82歳の女性ウォリー・ファンクさんと、
オークションで搭乗する権利を落札した18歳の男性オリバー・デーメンさんの4人が搭乗。
宇宙船は打ち上げから約2分半後にロケットから切り離され、
高度100キロメートル以上の宇宙空間に到達することに成功。
搭乗した4人は、宇宙船内でおよそ3分間の無重力状態を楽しみ、
打ち上げから10分10秒後に無事、帰還しました。
宇宙船が地上に着陸すると、
ベゾス氏は「最高の日だ!」と叫び、
帰還後に行われたブリーフィングで、
「私の期待は高かったが、その期待を劇的に上回るものだった」
と興奮した表情で感想を語りました。
ブルーオリジンは年内中にあと2回宇宙船を打ち上げる予定で、
今後、民間による宇宙旅行が本格化すると期待されています。
一般人にはまだ夢の話ですが、私たちの子供たちの時代には娯楽としての宇宙旅行も
ちょっと頑張れば手の届く値段になるのでしょうか。
しかし、今回のペソス氏の宇宙旅行には、大富豪のエゴ自慢、財力を宇宙旅行に散財する前に、
地球上で起きている問題を解決することに金を使うべきだと批判も多かったことも確かで、
それをかわす意図がどうかは定かではありませんが、
ペソス氏は帰還後の後の記者会見で、
CNNコメンテーターのバン・ジョーンズ氏と著名シェフのホセ・アンドレス氏に
「勇気と礼節」と名付けた賞の創設と、その賞金として、
それぞれに1億ドル(約100億円)を贈呈すると発表しました。
「使い方は本人次第」ということですが、食糧難の問題に取り組むアンドレス氏は
「すべての食料不足の問題の解消はできないが、新たなページのスタートになる」
と謝意を述べました。