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アメリカ最前線リポートVol.16 【インフレの続くアメリカその2】

ー CVリポートー     
By アーカス リツコ(CV メルマガ編集長 )

アメリカ最前線リポートVol.16
【インフレの続くアメリカその2】

前々回のリポートでも触れた通り、
アメリカ国内では40年ぶりとなる歴史的な水準のインフレが進んでいます。
インフレを消費者が最初に実感するのは、
日用必需品の価格高騰ですが、
スーパーへ行くのが怖くなるほど
野菜から肉、お菓子、アルコール類に至るまで
何から何までが値上げしているので会計の時には緊張感が走ります。
レストランでは、単価の他にステルス値上げ(シュリンクフレーション)
も進んでいて、
アメリカ名物のドカ盛りが影を潜め、
「あれ?明らかに量が減ってる」と実感することもしばしば。
食べ盛りを二人抱える我が家ではこれも大打撃。
最近は、ドリンクの注文禁止令を敷いて、
慎ましくトータルの金額を抑える努力をしています。
ガソリンの値段はとうとう1ガロン5ドルを超えました。
移動手段が車しかないラスベガスでは大きな出費です。

そんな中、バイデン大統領は、
6月22日、連邦議会に対し、
インフレ不安、ガソリン価格の高騰を抑制するため、
アメリカの消費者の消費者支援、夏休み中のバカンス対策として、
ガソリンやディーゼル燃料にかかる
連邦レベルの税金を9月末まで停止するよう要請。
同時に、州レベルの税金についても停止と
石油精製会社に対しても生産能力の引き上げげを求めました。
しかし、この大統領案には、身内である民主党議員からも
反発の声が上がっており、
議会通過の見込みはほとんどないとみられています。
バイデン大統領は、
「ガソリン税の一時停止だけでは問題を解決できないことはわかっているが、
(ガソリン代が少しでも安くなれば)

家庭の負担が和らぎ、多少の余裕ができる」と述べ、
もしこの措置が実現すれば、1ガロン当たり1ドル(約136円)の値下げになる
と主張しています。
私の車は満タンにするために16ガロンのガソリンが必要になるため、
もしバイデンの案が実現すれば、給油の度に16ドルの節約になり、
ありがたい話ではあるのですが、望みは薄いと知ってがっかりしています。

インフレ抑制については、高騰する消費者物価の抑制に力を入れるため、
アメリカの中央銀行にあたる連邦準備制度理事会(FRB)も
6月15日、約30年ぶりとなる大幅な利上げを発表しました。
FRBは、民間の金融機関に資金を貸し出す際の
基準金利を0.75%ポイント引き上げ、
1.50~1.75%の範囲にするということですが、
通常、金利の値上げ幅は0.25%ごとに行われるのため、
いきなり3倍となる今回の引き上げはかなり大胆な決定です。
そのため、今後、この金利政策は
アメリカ内外で多くの影響が出るものと思われます。

まず、住宅ローンなど借金の金利が高くなり、
住宅ローンやクレジットカード、学生ローンなど、
様々な借金にかかるコストが上がります。
全米不動産業者協会は、金利の上昇により、
アメリカの住宅販売が今年は9%減ると予測しており、
近年は2ケタの上昇が続いていた住宅価格の伸びも5%に抑制される見通しで、
新しく家を購入したい人にとっては厳しい状況となります。
つまり金利の引き上げが始まると、経済活動が鈍化し、
エネルギー需要が減少することから、ガソリン価格が(少しだけ)下がる。
表向きは
「インフレ率は下がり、FRBの金融引き締め策は功を奏す」
という結果になるかもしれませんが、消費者の悲鳴は止まりません。

それ以外にも年金受給額が減る。
暗号資産などリスクの高い資産も価格を下げており、
アメリカ国外の株式市場にも影響が出る。投資市場にも影響は出ています。
アメリカでは、老後の資金として、
「401k(退職金を積み立てる個人年金)」を利用している人が多いのですが、
株式市場が下がると401Kの資産価値も下がります。
また、パンデミック後、失業率は下がり、
(特にレストラン業界などでは)高給を提示しても
雇用を確保するのが難しい状況が続いていましたが、
今後は雇用市場の低迷も始まるだろうと専門家は予想しています。

金利の引き上げはアメリカだけでなく、
イギリスの中央銀行イングランド銀行をはじめ、
スイスやオーストラリア、カナダなど十数カ国も
ここ数カ月で利上げを発表しており、
国内の世界最大の経済国であるアメリカに倣い、
景気対策を行っていることから、
アメリカの経済の動向がこれから世界にも影響していくことでしょう。

今のところインフレ抑制に関する決定打のないアメリカ。
高い金利と弱い経済、FRBの対応は、
持続的な景気後退を招く危険があると専門家は警鐘を鳴らしています。

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