展示会出展の効果は何で計る?
ー CVスタッフのコラムー
清水保彦(CV プランニングディレクター)
【展示会出展の効果は何で計る?】
弊社は出展社からの依頼を受けて、
最も「効果が高い」出展となるようなプランを企画して提出します。
で、この「効果が高い」って、何だと思いますか?
「効果」を計る指標という意味でKPIという単語を使うことがあります。
英語フルだと「Key Performance Indicator」。
日本語に訳すと、重要業績評価指標という意味です。
今回は、海外展示会出展でのKPIをどう設定するか?
それ以前に、KPIって設定可能なのか?
というお話をしてみたいと思います。
効果を「見える化」するのがKPI
そもそも、何でKPIの設定が必要なのか?
それは「効果」というものが見えにくいからに他なりません。
特に、現場に来てない人に対して
どのように見える化して説明するか? のために
誕生した考え方ではないかと思うのです。
「これだけお金を遣いました」は、見えやすい。
「これだけ効果がありました」は、見えにくい。
「じゃ、一つ基準を設定しよう」
「それをクリアしたら、効果アリということにしよう」
という理屈でしょうか?
海外展示会で、「数」は重要な指標か?
下の表は、2024年のCESの来場者データです。
出展社の方々からは、
ほぼ会期終了と同時に
「今年のCESの定量的データを」と求められることが多いのですが、
たぶんその回答となるべき資料です。
「なるべき」と書いたのは、
この資料の出てくるタイミングが
日本感覚でいうと「すごく遅い」から。
日本の展示会みたいに
終了後即データが出る。
なんてことは、ほとんどありません。
上のCESのデータだって、
ほとんど一ヶ月後くらいに出たのではなかったか。
(記憶違いならごめんなさい)
主催事務局にデータが無いわけではありません。
すべてのパスはデジタルで申し込まれるので、
来場者数はリアルタイムで把握できます。
入力要素は多岐にわたるので、
来場者の属性データも瞬時にソートできます。
でも、日本の出展社が必要とするタイミングでは
概要データも出てきません。
「数」をあまり重視していないのではないかと清水は思っています。
で、出展社の方々からは
「JAPAN TECHの来場者数は?」とか
質問が来てしまうのですが、
そんな数字はカウントしてないので、
「ミートアップには400名来場しました」と
ビールを配る時にスキャンさせてもらったIDの枚数で答えています。
そもそも、効果は誰かに説明するものじゃない
「1日カタログ配布〇〇枚」とか
「名刺収集1日〇〇枚」とか。
その数字を大きく取るほど
来場者一人ひとりとのコミュニケーション時間を
削いでしまうようなKPIの設定は間違いだと思っています。
「数がはっきり見えた方が分かりやすい」という声も聞きますが、
それは「現場に来なかった誰か」に
説明する時の分かりやすさではないですか?
見える化のためのKPIという考え方を否定してしまうかもしれませんが、
誰かに説明しないと存在できない「効果」って何なんでしょうか?
500人にカタログ配るより、
5人と1時間ずつ話した方が、出展の「効果」は高いですよね?
しかもその1時間は
「1時間話さなければならない」ではなく
「話し込んでしまったら1時間経ってた」の
1時間であるべきですよね?
「数」ではなく「質」ということでしょうか。
ちなみに、来場者側はこの「質」にお金を払って来場します。
CESなら通常100ドル。
(無料のタイミングとか無料招待もあります)
間近になると300ドルが入場パスの値段です。
SXSWなんかは、ただ来るだけなら無料ですが、
ホールに入ろうとか、セミナーを聞こうとか
映画やライブを見ようとか
目的によって最低650ドル、
最高1,695ドルの代金が必要です。
ざっと計算して最高25万円ものお金を出して
ブースに来てくれたお客さんに対して、
あなたは何を見せることができますか?
何を語ることができますか?
う~ん。
やっぱり数じゃなくて質ですよね?
弊社は、この「質」の部分をどう創るかを
一緒に考えさせていただくことが
自分たちの仕事だと考えています。
CESまで、あと4ヶ月。
「質」を創るブースの作り方。
ぜひ一度ご相談ください。