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感謝を言葉に

ー CVスタッフのコラムー
ロドリガス晴海(CV USA)
感謝を言葉に】

今、私がこの記事を執筆している日はThanksgiving Dayです。
日本では同じ時期に”勤労感謝の日“が祝日として制定されていますが
この二つは何となく名前も似ているし日付も同じころですが、
由来や意味が大きく異なります。

アメリカのThanksgivingは、
1621年にピルグリムと呼ばれるイギリスからの入植者とインディアンが
収穫を祝ったことが由来とされています。
イギリスからの移民が本国から持ち込んだ種や苗が
土壌の違う土地で全く育たず、何も収穫が見込めなかった時に、
原住民のインディアンが、
土地に適した食物、トウモロコシやカボチャなどの苗を分け与え、
栽培法を指導して苦労の末に収穫を得た
最初の年の喜びと感謝を祝ったことが始まりです。 
この祭りは、イギリスからの移民たちが
新大陸での生活の地盤を作り、収穫に感謝し、
アメリカ合衆国の建国の基盤としても位置づけられています。

Thanksgivingはアメリカで最も大きな祝日の一つで、家族や友人が一堂に集まり、
伝統的な食事を共にする習慣があります。
パレードやアメリカンフットボールの試合など、多くのイベントも行われます。
この祝日は家族が北と南にわかれて戦った悲惨な南北戦争の後に、
リンカーン大統領によって11月の第4木曜日と制定され、
” 家族の絆を強める “という意味がこめられました。 
その為に家を離れた学生が里帰りし、
様々な地域に散らばった家族もこの日をめがけて集まるので
Thanksgiving前の1週間位前から前日までは、
アメリカの主要なハイウェイは家族全員、
時にはペットも乗り込んだ車で大渋滞が起こります。
今年、私の娘家族は3人の幼い孫と、おもちゃ、食料、おむつ、ベビーカーなどを車に積み込み、
渋滞を避けるため、カリフォルニアの自宅を火曜日の午前0時に出発、
車の少ない真夜中を8時間あまり夫婦で交代して運転してLas Vegasの祖母を訪ねるという
強行軍を行いました。
渋滞に巻き込まれず、無事についたという報告がありましたが帰り道が心配です。

感謝祭の食卓の中心は5キロから7キロの大きなターキーが置かれ、
普段は使われないような銀食器がこの日のために磨かれます。 

家族は食事の前に手を繋ぎ、
大人も子供もそれぞれが”感謝すること ”I am thankful for…”と全員が自分の言葉で話します。
結婚や出産で新しく加わった家族や、その年に亡くなった人への
感謝の言葉も必ず聞かれます。

アメリカのThanksgivingと日本の勤労感謝の日は
異なる文化的背景、価値観や伝統に基づいているので比較の対象とはなりませんが、
日本人は新年、入学式、成人式などの区切りの日に”決意“を表明することはありますが、
”感謝の言葉“を口に出して表現することが苦手と感じます。 
仕事や営業では、ありがとうございますとすんなりいえる日本人でも、
身近な人に感謝の言葉を口にすることが照れ臭いのかもしれません。 
周りがいつもさりげなくやってくれていることに感謝の言葉を忘れていませんか? 
温かい食事が待っていても疲れて帰ってきた日には、
”ありがとう“の前に、”いらない“ ”食べてきた“などと言ってしまいませんか? 
職場の誰かが何かをしてくれた時、
仕事だから当たり前ではなく、
一言、”ありがとう、助かった“と口に出せるようになればその場が少し暖かくなります。 
私が10月に日本に帰ったとき、
和食の割烹のカウンターでお食事をする機会がありました。 
その時、板前さんが目の前に出して下さる料理に
私は一皿ごとに”Thank you!“と口に出しましたが、
周りを見回すと、料理が出てきた時に一回ごとに”有難う“という声は聞こえませんでした。
レストランで頼んだ料理が届いた時、有難うという声もあまり聞かれません。
お金を払ってオーダーをしているのであっても
やはり作ってくれた人、
そして運んでくれた人に有難うと言える心配りがあっても良いのにと思いました。
ちょっと気恥ずかしいかもしれませんが、
周りが自分にしてくれていることに”気づき“、心からの感謝の言葉を口に出してみませんか? 
まずは一番身近な人から…

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