選択の中で育つ子供たち ~スポーツ応援に見るアメリカ家族の週末
ー 今週のコラム ー
ロドリガス晴海(クリエイティヴ・ヴィジョンUSA)
選択の中で育つ子供たち~スポーツ応援に見るアメリカ家族の週末
昨日の土曜日は“スポーツ漬け”の一日でした。
朝は孫たちのリクエストで一口おにぎりを用意し、早朝に家を出発。
保温ジャーに入れた朝食のオートミールを持って、
まずは一番上の孫(7歳)のソフトボールの試合が9時から始まりました。
試合が終わるとすぐに移動し、いとこの試合を少し見ながらスナックタイム。
続いて4歳の孫のTee Ballが12時から。
その後は小雨を避けて近くのモールでランチをとり、
再び球場へ戻って最後はいとこの兄のBaseballの試合の応援へ。
自分がプレーしたわけではありませんが、
クタクタになって家に戻ったのは午後6時過ぎ。
1日に4試合を見た朝から晩までスポーツの土曜日でした。
通常の週末も、上の子の試合からそのまま次の子のゲームへ直行という流れが多く、
時間が重なると親が分かれてそれぞれを連れていくというのも珍しくありません。
でもこうした光景は、アメリカで複数の子供を持つ家庭ではごく自然なものです。
私自身も、娘のバレエと息子のフットボールの試合が重なり、
ディフェンス要員の息子の唯一のタッチダウンを見逃したという
少しほろ苦い思い出があります。
私のピアノ教室の生徒達からも、
「水曜日はスイミングがあるのでレッスン日を変えてください」、
「この後、すぐにソフトボールの練習があるので時間を調整してください」
といったリクエストが、ためらいなく入ってきます。
これは、アメリカの子供たちが
複数のスポーツに関わっていることと大きく関係しています。
多くのスポーツにはシーズンがあり、
一般的に9月頃から1月までがFall Season、
2月から6月頃までがSpring Seasonと区切られています。
日本の学校のクラブ活動とは異なり、
シーズンごとにTryout(選考)を受けてチームに入り、
その期間活動するという形が主流です。
(アメリカではスポーツチームは学校を代表する選ばれたプレーヤーであり、
クラブと呼びません)
例えば、Fall Seasonに水球チームで活動していた選手たちが、
Spring Seasonではスイミングチームに参加したり、
フットボールの選手がレスリングや陸上競技へ移るという流れもよく見られます。
このように、同じ子供たちがシーズンごとに
別のスポーツの選手として活動することが自然に行われています。
一度離れても、次のシーズンに再びTryoutを受けることができるため、
競技を変えることにも休むことにも重圧がかかりません。
その結果、自分に合った好きな種目を試しながら続けていける環境が生まれているように感じます。
この環境の中で私が強く感じたのは、練習の目的が「勝つために鍛える」ことだけではなく、
一人ひとりが自分の力を伸ばすことに重きが置かれている点です。
もちろんチームとしては勝利を目指しますが、
それ以上にどれだけ自分のベストを尽くしたかが大切にされています。
できなかったことを責めるのではなく、できたことを皆で称え合う姿がとても印象的でした。
数年前、まだ4歳だった孫がSwim Meetで他の子供たちより大きく遅れていたことがありました。
それでもプール全体から「Go! Go!」という声援が送られ、
泳ぎ切った瞬間には大きな拍手が起こりました。
順位ではなく、最後までやりきったことに
価値が置かれていたその光景は今でも忘れられません。
4歳のTee Ballでも、技術より楽しむことが優先され、
全員が必ず打席に立ち、ポジションも順番に回ります。
試合時間は1時間とされているので全試合3イニングです。
ゴロをトンネルしてしまっても、拾って投げれば大きな歓声が上がり、
コーチたちは決して声を荒げることなく、子供たちを見守ります。
こうした積み重ねの中で
子供たちは自然とチームの一員としての意識や責任を身につけていきます。
そして多くの選択肢の中から自分で選び、
その選択に向き合う経験が、
責任感だけでなく、自分を表現する力にもつながっていくのだと感じました。








