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「カナダ孤軍奮闘記 Vol2」〜カナダ・ワーキング編

「カナダ孤軍奮闘記 Vol.2」〜カナダ・ワーキング編

 

読者の皆様、おはようございます。
プロジェクトマネージャー(PM)の吉野です。
前回の「カナダ孤軍奮闘記 Vol.1」では、
私個人の異文化体験をお伝えしましたが、
今回はVol.2として、カナダでの就業、展示会事情プチ情報、
意外と近いアメリカ,についてお伝えします。

*vol.1はこちらよりアクセスできます。

 

(写真)真冬の通勤に使った自転車!

 

【カナダでの就業体験から見えた文化の違い】

•カナダビザシステム
カナダでは政府から認可されている教育期間を卒業すると、
修学年度に応じてオープンワークパーミット(就職先に縛られない就労ビザ)が
留学生に発給されます。
私が2016年にカレッジ (2年制)を卒業した時は、
3年間有効な就労ビザが発行されました。

•初めての異国就職
就労ビザを手にしたとはいえ、
異国での就職活動は難しいものがあります。
インターネットや知人からの求人情報をもとに、
履歴書を送る日々が1ヶ月ほど続きました。
最終的にその後約2年半を過ごす事になった会社は、
応募者が多い状況ではインパクトが大事というアドバイスをもとに、
2月の大雪が降る中、アポなしで面接依頼に訪問した
店舗・展示会を専門とする施工会社でした。
40年来勤めたスタッフが退職するということで、
そのポジションを引き継ぐ形になったのですが、
今となって思い返すと
よく信用して雇用してもらったと不思議な思いがあります。

•カナダ就労体験
各会社の文化や職種によって変わるかと思いますが、
私が勤めた会社では、
基本的に各個人がそれぞれの技術・知識をもとに会社に雇われていても、
その姿勢は組織の一部として働くことではないという印象を受けました。
日本でいうと個人事業主に近い感覚ではないでしょうか。
ただ、従業員は皆10〜50年勤めているベテランの方が多く、
会社全体としてまとまっていたと思います。
移民政策を長年、積極的に行なっているカナダは多民族国家です。
英語が共通言語ですが、
育った環境や母国語によって
それぞれ考え方や価値観が変わってくるので、
日本で働いていた時のようにAをするとBという反応が
返ってくるという予測は成り立ちません。
特に仕事となると、
基本的なことから順を追って確認していくことが重要となります。
働き始めた頃は、
何を当たり前のことを繰り返し言っているのだろうと不思議に思いましたが、
海外で仕事をする上で必要なことは
まさにこのプロセスであったと今にして思います。

【カナダの展示会プチ事情】

カナダ国内での展示会開催数、規模は
アメリカ全体と比べると市場としては小さい印象です。
私が在住していたトロントで比較的規模が大きい展示会として
毎年1月開催の“IDS”Interior Design Showがあります。
前回のブログでも少し触れましたが、
不動産ブームが長年続いているカナダでは
内装に関わる製品・サービスの需要が非常に高く、
業界関係者・一般入場者ともに多くの来場者が訪れます。
私自身、2016〜2018年の間は毎年訪れていたのですが、
新規を除く大半の出展企業は
毎年同じブースを保管〜マイナーチェンジして
製品の展示をしている事に気がつきました。
ブースの構造としては日本でも展示会場で使われる
オクタというアルミフレームを使った造作ではなく、
会社・製品のテーマに沿って作り込まれたブースでした。
展示会が終わると、パース毎に解体されたブースは
巨大な木製のケース (クレート)内へパズルのようにキチンと収められていき、
次年度まで倉庫で保管します。
カナダ人の細やかな国民性とともに、
再利用できる資源を使い回す発想で、環境への意識の高さを垣間見た気がします。

(写真)トロント市内、4月のイベント会場

 

【意外と近いアメリカ】

• アメリカ・カナダ、近い?遠い?
アメリカとカナダは北米の国として地理的に隣り合っていますが、
それぞれ違う国と考えると、
お互いの国で行うことはその国で済ませるであろうという発想が
私自身の考え方としてありました。
どちらの国も広大な国土を有しているので拠点とする都市によりますが、
トロントからニューヨークへは飛行機で1時間ほどで到着します。

• カナダで事業をおこなうメリット
私が就労していたカナダの施工会社はカナダ国内での仕事に限らず、
アメリカ北部を中心に店舗内装・展示会含め
年間を通して定期的な発注がありました。
営業部門とクライアントとの関係が重要なのは勿論ですが、
アメリカのクライアントとしては、
地理的に近いカナダの業者は、
人件費が比較的安く抑えられることで魅力的な取引先となるようです。
また貨幣価値の違いも大きな影響があります。
基本的にカナダドルで経費を計算するために、
同じドルでもアメリカドルからカナダドルへの支払いは
アメリカの会社にとって大きな利点となります。
輸送費用や地理的な問題での対応力が関係してきますが、
こと展示会に関していうと、
カナダで製作〜アメリカへ輸送という考え方は
一つの有効な選択肢として現地では認識されています。
今後、日本からアメリカへの事業進出を検討されるなかで
カナダを介してビジネスを行うという発想も考えられるのではないかと思います。

以上、カナダ徒然日記としてとりとめのない内容となってしまいましたが、
今回は以上となります。
「カナダ孤軍奮闘記」の掲載は一旦終了となりますが、
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
またどこかで、皆様とお会いできる日を楽しみにしております。

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