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アメリカ最前線リポート Vol.11 ~巨額インフラ投資法案成立

ー CVリポートー     
      By アーカス リツコ(CV メルマガ編集長)

【アメリカ最前線リポート Vol.11
 ~巨額インフラ投資法案成立】

今週の木曜日(日本の11月25日、メール配信日)は
サンクスギビング・デー、アメリカ最大の祭日です。
その前日、11月24日はアメリカ国民が
家族との時間を過ごすために大移動を行う日。
今年は、サンクスギビングのために5,300万人が旅行すると推計されており、
空路、道路、鉄道は大混雑でした。
我が家は、今年のサンクスギビングは家族だけで過ごすことにしたので、
移動はありませんが、
それでもサンクスギビング当日はほとんどのお店が閉まってしまうため、
食料の買い出しなどにあちこち回り、週の前半は大忙しでした。
日本の人がおせち料理の材料を求めて奔走するのに似ています。 

アメリカでは、今月21日、ウィスコンシン州ワウケシャで
クリスマスパレードに車が突っ込み、
6人の死者と多数の負傷者を出した事件が発生しましたが、
これ以上の惨事が起こることなく多くの人が穏やかに温かい時間を
家族と共に過ごせるように祈っています。

巨額インフラ投資法案成立 
先日のアメリカ最新リポートでもお伝えした
バイデン政権の目玉政策の一つである
総額1兆ドル(約110兆円)のインフラ投資法案が成立しました。
この投資法案は、連邦議会を通過後、8月に上院を通過。
しかし、その後、バイデン氏が率いる民主党の下院議員に造反者がでたことで
成り行きが注目されていましたが、十数人の共和党議員が支持に回ったことで
下院で賛成228、反対206で可決。
11月15日、バイデン大統領が署名し、正式に成立しました。
「一世一代」の大型財政支出と位置づけられるこのインフラ投資法は、
アメリカ国内としては数十年来の規模となり、
総額約1兆2000億ドルのうち約5500億ドルを、
今後8年間で、高速道路や道路、橋、都市の公共交通、
旅客鉄道などの整備に当て、加えて、清潔な飲料水の提供、高速インターネット回線、
電気自動車充電スポットの全国的なネットワーク整備などにも
連邦予算で取り組むことになります。

この大規模法案の成立は、支持率が低下するバイデン政権にとって、
重要な立法上の成果となるとされているため、
バイデン氏は
「アメリカが再び動き出しました。これから皆さんの生活はもっと良くなります」と、
国民に呼びかけ、支持を求めました。

このインフラ法案には、再生可能エネルギーの根幹を担う技術への投資も
含まれており、今後は国を挙げて、ITやAI技術取り組むことになります。
バイデン大統領が「歴史的」と誇るこの計画は、
再生エネルギーやEVが主流となるだろう今後50年への先行投資と考えられており、
この分野の期待は大変大きいです。
政府からのバックアップを得て、IT業界はさらに発展し、
将来のCESはますます目が離せなくなる展示会になること必至です。

インフラ投資を進めているのはアメリカだけではありません。
欧州もコロナ対策と次世代技術への投資を兼ねて
1兆ユーロ(130兆円)の復興基金を創設していますし、
中国も同様の予算を確保しており、インフラ投資は先進国における
世界的な潮流の一つとなっています。
その一方、主要先進国である日本は投資ところか、
投資に関する議論さえ進んでいません。
インフラ投資、整備はひいては災害被害抑制にも
つながることです。今後、議論が活発化し、
目の前の「分配」のみでなく、将来を見据えた投資が進むことを期待します。

バイデン大統領再出馬の意向を示す
バイデン氏の支持率は、ここ数カ月下落傾向にあり、
米キニピアック大学が実施した最近の世論調査では36%と、
就任以来最低の記録を更新しました。

しかし、バイデン政権は今回のインフラ法案の成立を
重要な内政上の成果と受けとめていることもあり、
11月22日、バイデン氏は、
次期大統領選に再選出馬の意向を示したと
ホワイトハウス、サキ報道官が確認しました。
しかし、2024年には82才になるバイデン氏が高齢であることの懸念は大きく、
共和党はすでに2024年の選挙戦での政権奪還に向けて
虎視眈々と準備を始めていることから、
3年先の行方が早くもニュースとなっているアメリカです。

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