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アメリカ最前線リポートVol.11 

ー CVリポートー     
      By アーカス・リツコ(CV メルマガ編集長)

【アメリカ最前線リポートVol.11】
   バイデン米大統領、初の一般教書演説 

3月1日、アメリカ大統領、ジョー・バイデン氏は、
大統領就任後初となる一般教書演説を連邦議会で1時間に渡って行いました。

主なトピックは、ウクライナ侵攻における外交問題、
新型ウイルスのパンデミック、物価の急上昇、
暴力犯罪が多発する国内問題についての対処などについて。

ウクライナ侵攻における外交問題
ウクライナ侵攻を実行したロシアのプーチン大統領対しては、
「判断を大きく誤った。
プーチンの戦争は計画的なもので、挑発を受けたものではない。
彼は度重なる外交努力を拒否した。
(ロシアとプーチン自身が)今後どうなるのか、彼はわかっていない。
高い代償を払うことになるだろう。
この時代の歴史を振り返る時、ウクライナに対するプーチン大統領の戦争は
ロシアを弱体化させたと記憶されるだろう」
と批判し、強い経済措置を行い、
「自由は独裁者に勝つという確固たる決意」でこの問題には対処すると誓った。

この日、ファースト・レディー、ジル・バイデン氏に並ぶ来賓席には、
ウクライナのオクサナ・マルカロワ駐米大使の姿があった。
大統領は大使を歓迎し、議場からは総立ちの拍手が送られた

また、バイデン大統領は演説の数時間前に、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談し、
支援を表明したと述べると、民主、共和両党の与野党議員らは起立し、
拍手を送った。
連邦議会議事堂の議場では、配られていたウクライナ国旗を振る議員も多かった。
今回の侵攻ではウクライナ人の愛国と抵抗のシンボルともなっている
ひまわりの花のブローチや、ウクライナの国旗の色であるブルーと黄色の服を
身に着けた女性出席者も複数見受けられた。
さらにバイデン氏は、アメリカの空域をロシアの航空機が通過するのを
禁止することを表明。
(同様の措置はすでにカナダや欧州各国が実施している。)

コロナ・ウイルスのパンデミック
物価の急上昇

今回の演説でインフレという言葉を7回も口にしたバイデン大統領。
アメリカではパンデミックの疲れなどにより、
インフレが急激に進んでいるが、
「インフレと闘うには、物価をコントロールすることが重要」と強調し、
米企業に対して、従業員の賃金ではなくコストを引き下げるよう求めた。

さらに、ガソリン価格が急騰する現在、石油市場の安定化に向けた
6000万バレルの石油備蓄協調放出の一環として、
米国は戦略石油備蓄(SPR)から3000万バレルを放出し、
必要ならば追加放出の用意もあると述べた。

暴力犯罪対策
多発する国内暴力犯罪については、警察組織の強化が重要と述べると、
民主党だけでなく、野党共和党からも大きな拍手が上がった。

バイデン大統領の支持率はは低下傾向にあり、現在は40%程度だが、
ロシアへの対応には評価が多く、米国民たちの支持率が上昇している。
ただ、バイデン大統領は育児支援や気候変動対策などを含む
大型歳出法案の成立を目指しているが、
民主党の一部の議員の反対で成立のめどが立たない状態となっている。
このまま支持率の低迷が続けば、11月の中間選挙で、
共和党に議会の主導権を奪われ、
政策の実行がより難しくなることも予想されることから、
さまざまな課題にどう対応するのかバイデン大統領の手腕が問われている。

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