アメリカ最前線リポートVol.39 トランプ関税の行方(2)
ー 今週のリポートー
アーカス・リツコ(メルマガ編集長)
アメリカ最前線リポートVol.39
トランプ関税の行方(2)
米政府が、非課税基準額(デミニミス)ルールを廃止、日本含む25カ国が米国への発送停止
ご周知のとおり、アメリカのトランプ政権は、8月7日に世界各国や地域への新たな関税率を適用し、
日本には15%の関税を課すことが決定しました。
8月29日、アメリカの連邦巡回区控訴裁判所は国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく
追加関税措置を違憲と判断しましたが、
法廷闘争は最高裁までもつれ込み、判決が出るのは2026年と予想されているため
当面は追加関税措置は継続する見通しです。
これとは別にまたまた新たな問題が発生しています。
トランプ大統領は7月30日、
少額貨物の輸入で非課税基準額(デミニミス)ルールを廃止する大統領令を発表したのです。
アメリカでは1930年、関税法321条に基づき、
輸入申告額が800ドル以下の少額貨物の輸入に対しては関税支払いなどを免除し、
簡易的な方法で輸入通関ができるデミニミスルールを設けていましたが、
アメリカ政府はこうした小口輸入品の免税を8月29日で撤廃しました。
郵便に関する国際機関、万国郵便連合(UPU)は、
トランプ政権が小口荷物に関税を課さない特例規定を撤廃した影響で、
25の加盟国が米国向けの物品発送を停止したと発表しています。
デミニミスルールを撤廃にすることで、
関税・諸税の追加コストがかかり、
消費者が負担する総額が増加し、
商品の価格競争力が低下する可能性や、
関税分類や原産地証明などの書類作成が必要となることで手続きが煩雑化し、
税関での審査に時間がかかり、
商品が消費者の手元に届くまでの時間が長くなるなど、
消費者にとってデメリットだらけです。
個人的なことで言うと、
私は先週、アマゾンジャパンで本を注文したのですが、
注文完了の確認書が来たのち、
いつまでたっても発送の連絡が来ないため問い合わせをしたところ、
アメリカ向けすべての商品が発送ができずにいる状態だと言われ、
途方に暮れていたところ、本日やっと発送の連絡がありました。
また、来週、行われる展示会に参加する方が
日本から発注した商品の発送先をアメリカにしたところ、
発送が停止になったため、
結局、日本で受け取り、手持ちにして持っていくことにしたそうです。
また展示する製品を発送できずにいる業者の方もいらっしゃいます。
EBayなど大手のEC業者はDDP(Delivered Duty Paid)を導入するなどして
遅配の避けるべく努力はしていますが、
EC業者にとってもチャレンジの時間が続くことになるでしょう。
展示会等に参加される方は、
日本から荷物を発送することが多いと思いますが、
現在、大変な混乱が起きていますので、輸送には十分な注意が必要です。
ちなみに、アメリカへの旅行者が個人用物品として
200ドルまで免税で持ち込むことができる措置などは、
今後も継続するということですが、
この200ドルというのもあやふやな数字ですので、
将来はもっと厳しい規制ができるのかもしれません。心配です。






