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クリスマスのストッキングと赤鼻のルドルフの秘話

 ー CVスタッフのコラムー
By ロドリガス晴海(CV USA)
【クリスマスのストッキングと赤鼻のルドルフの秘話】

アメリカでは11月の第4木曜日のThanksgivingの次の日が
Black Fridayと言われる大セールの日。
その日を皮切りに各ストアでクリスマス商戦が始まります。
屋根にクリスマスツリーを積んだ車が行きかい、
家の中や外もクリスマスのデコレーションがライトアップします。 

12月のコラムでは、
寒い季節に少し心がほっこりするクリスマスの話題をお届けします。

I. なぜクリスマスシーズンに暖炉の前にストッキングを飾るのか?

サンタクロースの起源は4世紀ごろ、
小アジア南西部の古代都市ミュラ(現・トルコ)の司祭であった「聖ニコラス」が
モデルと言われています。
聖ニコラスは裕福な家庭で育ち、貧しい人や困っている人たちなどに
自分の持ち物を惜しまず与えていました。
彼の近所には3人の娘がいる大変貧しい家族が住んでいました。
聖ニコラスは、送り主が解らないように
娘たちが暮らす家の煙突から金貨を投げ入れました。 
その金貨が暖炉の近くに干してあった靴下の中に入り、
そのお金でこの家族が救われたといわれています。

アメリカの一般家庭ではツリーと一緒に、
家族の名前やイニシャルのついたストッキングを暖炉の前に吊るして、
クリスマスプレゼントとは別に 
小さなギフトを包まないでストッキングの中にいれる風習があります。
このプレゼントは 
Stocking Staffer(ストッキングスタッファー)と呼ばれ、
お菓子や小物、リップクリームのような
ちょっとした日用品を贈ります。 
ペットも家族としてみなされるアメリカの家庭では、
ペットのストッキングには、ペット用のおもちゃやTreatも
忘れることはできません。
ただ、このストッキングの起源が
聖ニコラスが煙突から投げ入れた金貨だったことを
知っている人はあまり多くないようです。

II. 赤鼻のトナカイ ルドルフ
サンタクロースが乗るソリをトナカイが引いているのは
クリスマスの定番シーンですが、
始めは8頭で先頭の赤鼻のルドルフはいませんでした。
ニューヨークの神学者クレメント・クラーク・ムーアが
1823年に発表した子供向けの詩 A Visit from Santa Clausで、
サンタクロースは8頭のトナカイ名前を
「ダッシャー、ダンサー、プランサー、ヴィクセン、
コメット、キューピッド、ドナー、ブリッツェン」

と呼んでいます。

今では誰でもが知っている
クリスマスのシンボル赤鼻のトナカイ、ルドルフは
その100年以上も後の1938年に
シカゴの会社員だったRobert Mayによって生み出されました。
ロバートの妻は癌を患っていて、
幼い娘のバーバラは
”どうして私のママはみんなと違うの?“ 
と父親のロバートに尋ねたそうです。 
自分自身も貧しい家庭に育ち、
体も弱く”みんなと違う“といじめられていたロバートは、
既に人気のサンタクロースとトナカイの話に、
皆と違う”赤鼻のトナカイRudolphを登場させ、
娘が喜ぶような楽しい話を作りました。 
ルドルフは世界にたった一頭しかいない不思議なトナカイ。
それは真っ赤なお鼻をしていたから。
でもたとえ他の人や動物と違っていても、
神様が創られた生き物にはいつかきっと奇跡が起こり、
幸せが訪れる…。
そんな気持ちを込めてロバートはその話を手作りの本にまとめ、
クリスマスプレゼントとして娘に贈りました。
そして、その年の会社のパーティーでストーリーを披露すると大好評。
そこで会社はその物語を
”Rudolph the Red-Nosed Reindeer”
というタイトルの無料の冊子として配布。
その後、同署は250万部の発行を記録し、
1946年の再リリース時には350万部という大ヒット書籍となりました。
再リリースの2年後の1948年には
ロバートの従兄弟のJohnny Marksがこのストーリーを基に
作詞作曲したクリスマスソング、
“Rudolph the Red-nosed Reindeerがリリースされ、
今日でもクリスマスシーズンには、
必ず聞こえてくるヒットメロディーとなっています。 

クリスマスシーズンに必ず見かけるストッキングは
名前を出さずに誰かを助けようとした聖ニコラスの寛容さ、
何気なく口ずさんでいた”赤鼻のトナカイ“は、
皆と違っていてもやれることがある、
病気の母を持つ娘を慰めようとした温かい父親の心、
そんな実話に基づいている事を知ると心が温まるような気がします。

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