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業界夜話Vol.1 ~あるプランナーのつぶやき~

現場に「貴族の義務」が必要なワケ

Hans BraxmeierによるPixabayからの画像 

【誤解を恐れずに言えば、現場には「身分制度」があります】

士農工商とか、貴族と平民とか。過去の身分制度は“上の者は手を
動かさず、下の者を収奪して暮らしていける”というものです。
現場にも、実はこれと似た形があるのです。

現場の身分を上から言うと、「プロデューサー」「ディレクター」
「各技術のチーフ」「各技術のアシスタント」「アシスタント
ディレクター」「スタッフ」という感じ。

はい。そうです。「職能」の上下関係です。
士農工商などの身分制度が「上を守るため」に作られたのに対して、
この職能上下関係は「下を動きやすくする」ことで「現場のクオリティを
上げる」ために作られたもの。
手を動かすスタッフが、いちいち迷いながら仕事をしないでいいように
するためのものです。

そんな現場の身分制度にあって何が大切か?
今回は、そんなお話しです。

【上から下への仕事の流れは、こんな感じ】

たとえば照明。ライト当て方一つ、動かし方一つで舞台の
イメージを左右する仕事です。

プロデューサーは「クライアントがこう言ってるから、
こんなステージにしてね !」とおおまかな指示をディレクターに出します。
ディレクターは「クライアントの希望がこうだから、このシーンでこんな
感じにして、それが次のシーンではこんな感じに」と照明のチーフに
細かな指示を出します。
照明のチーフは、自分のチームに「36番がここに来て、次は45番と23番の
クロスで」と機材ごとの動きを伝え、スタッフはそれを実現できるように
ライト1本ずつの吊り下げ位置や角度を決め、高い所に上ってセッティング
したり、全部の照明を動かすプログラムを照明卓に打ち込んだりします。

で、リハでディレクターがOKを出すまで修正して、プロデューサーにも
一応見せて、一つのステージが完成するわけです。

【「えっ? クライアントがNG!?」って、誰が悪い?】

さてこのようにしてステージが仕上がったとして、それをクライアントが
見て「違うっ !」とダメを出した場合、その責任は誰にあると思いますか?

ーMail Magazine Vol.013より 抜粋転載ー

CP 清水保彦(しみず やすひこ)

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