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米国展示会 納期のおはなし  ~木材供給不足と価格高騰~

ー CVスタッフのコラムー   
    By 吉野 昌秀(CV プロジェクトマネージャー)

米国展示会 納期のおはなし 
~木材供給不足と価格高騰~

木材などの材料供給不足:
CESを含む2021年内と来年年明けに開催予定のアメリカ展示会のブース施工納期は、
米国での材料供給・人手不足等のために、平均2ヶ月ほど早まる見通しです。

2020年春以降のコロナウィルスの感染拡大のあおりを受けて、
米国では、木材を含む原料価格の高騰と供給不足が深刻化しています。
理由としては、現地製材所が先行きの不透明感と木材需要が
落ち込むことを見越して生産率を落とした事と、生産を続けていた製材所でも、
スタッフのウィルス感染などで作業ができなくなった事、
またアメリカ政府による生活保護に頼り、一度離れた人員が職場に戻らないなどの
多重的な要素が考えられますが、こうした状況を受けて、
市場の材料消費に供給が追いついていない状態が昨年から続いています。

木材需要の上昇:
その一方で、コロナ渦の影響を受けずに仕事ができて
年収が確保できている人たちは、自宅作業場の拡充、利率の低いマイホームローン等を利用して
新居の施工などを行う格好の機会となったこともコロナ禍においても
木材需要が上昇した一因となっています。
また、建築に携わる業種(大工など)は必要不可欠な労働者(エッセンシャルワーカー)
と見なされて、コロナ渦でも作業ができたことも木材需要の上昇を後押ししました。

結果、インフラが発生し、木材価格の高騰・不足が発生しています。
2021年春頃には、コロナ前と比べて木材価格が4倍近くまで上がったという
情報もあります。
経済回復の兆しが見えた現在は少し価格は落ち着いてきましたが、
それでも、米国の現地協業企業(工務店)担当者によると、
依然として従来より60%前後価格が上がっているということです。

納期が早まる:
通常、米国での木材発注は2週間前後が標準納期となりますが、
需要と共有のバランスが整っていない現在、
展示会関係の業者は2ヶ月前後の原材料納期を見る必要があるようです。
これはどういうことかというと、
極端な話、展示会開始2ヶ月前にブースのデザインを完成させて、
工務店へ制作依頼を掛けても、展示会が開始される頃になってようやく材料が届く、
つまり現場にブース、もしくは木工製作品が届いていない、ということになります。

それでは、必要な分量を見越して先行発注し、倉庫に材料を蓄えておけばいいじゃないか、
という発想になるかもしれませんが、2008年以来といわれる材料価格の急激な高騰、
下落を目の当たりにしている業者からしたら、現時点での高値の材料を発注することは、
将来的に損失が生じる可能性があり、
そんなリスクは負えない=発注が来た時点で市場の材料価格を元に見積もるしかない、
と考えるケースが多いようです。

労働者不足:
アメリカ政府によるコロナ失業保険の適用が続く9月頃までは、
労働者不足は続くとみられ、
製造・輸送等の遅れは、少なくとも年内いっぱいは続くだろうというのが、
現地施工業関係者の見通しです。

クリエイティヴ・ヴィジョンが日本で唯一の販売代理店を務める
CES (米国最大規模のIoT展示会、2022年1月5日〜8日開催予定)
へ向けて出展準備を進めているプロジェクトでも、
納期が例年より早まらざるを得ない状況ということは、
注視すべき事項として情報を集めています。

本件は出展者の方々にとっても我々にとっても大変重要な問題の一つですので、
今後のメルマガでも情報が入り次第、発信致します。

情報ソースhttps://www.nbcnews.com/business/economy/how-lumber-industry-misread-covid-ended-global-shortage-sky-high-n1272542

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