​ ー 今週のコラムー
ロドリガス晴海（クリエイティヴ・ヴィジョンUSA）
【10月のアメリカ：ハロウィーン】

アメリカの10月と言えばハロウィーン。
アメリカのハロウィーンについてその起源や語源、
なぜハロウィーンにはカボチャなのかを復習してみました。

起源はアイルランド
ハロウィーンの起源は古代ケルト人にさかのぼります。
ハロウィーンはケルトの祭り「サウィン（Samhain）」に由来しており、
ケルトの年中行事の一部でした。
古代ケルト人はヨーロッパ広範囲に住んでいたといわれますが、
現在のアイルランド、スコットランド、ウェールズ、
コーンウォールやブリトン諸島に住んでいました。
ケルト人は10月31日を”冬の始まり“として、
この日を死者と生者の境界がなくなり
魂が訪れる日と信じていたため、
この日は魔法や呪術を使って火を灯し、
仮装をして邪霊を追い払う儀式をしたことが
現代のハロウィーンの起源とされています。

ハロウィーンの語源を知っていますか？
ローマ帝国がキリスト教を布教するためには、
異教や古い民族の習慣を否定するのではなく、
それらをキリスト教と結び付けて、
異教を排他せずにキリスト教を抵抗なく浸透させる策を取りました。
そこで、サウィンとキリスト教の祝日を結び付け、
11月1日をAll Saints’ Day（万聖節）として、
亡くなった聖人達を祝う日と位置付けました。　
そのため10月31日は前夜Eve として
“All Hallow’s Eveと呼ばれるようになり、
それが短縮されHalloweenの語源となりました。

Trick or Treat?
ハロウィーンの伝統が19世紀にアイルランドの移民からアメリカに持ち込まれ、
その後、仮装や子供達のTrick or Treatといった様々な要素が取り入れられ、
宗教行事よりもパーティーや仮装、パレードなどの
エンターテインメント性の強い年中行事の一つとして進化してきました。

​

ハロウィーンのカボチャ：Jack-o’-Lantern
Halloweenとそのシンボルのカボチャはどういう関係なのでしょうか？　
Jack-o’-Lanternはくりぬいたカボチャに顔を掘り、
内部にキャンドルを灯して作る伝統的なハロウィーンのデコレーションですが、
それはアイルランドの伝説の、
“ 魔物ジャックがカボチャに閉じ込められた ”という物語に由来しています。　　
ハロウィーンは秋、カボチャの収穫と重なり装飾や食事、デザートに広く使われます。　
特にカボチャのスープ、パイは
10月以降、アメリカの食卓に必ず現れる定番メニュー、デザートです。
季節限定のPumpkin Spice Lateは
スターバックスの10月の一番人気となっているようです。

​
​

Pumpkin Patch
日本でカボチャといえば、皮が濃い緑中は鮮やかな黄色を思い浮かべるでしょう。　
アメリカのカボチャは巨大でオレンジ色。

ハロウィーンシーズンになると
Pumpkin patchと呼ばれるカボチャ畑がオープンし、家族で訪れ、収穫体験を楽しみます。
小さな子供にはとても抱えきれない位大きなカボチャが並びます。
Pumpkin Carving コンテストも開催され、
カボチャを彫刻してさまざまなデザインや顔を作って
競い合うのもアメリカの10月によく見かける風景です。
　
​

​

10月末のハロウィーンから11月のThanksgiving、12月のクリスマスまで、
アメリカの町には、パンプキンスパイスの匂いや暖炉の木の燃える音とともに
Holiday Seasonがやってくるのです。​