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8月のアメリカ~新学年の始まり:個性を伸ばすアメリカの学校制度

ー 今週のコラムー
ロドリガス晴海(クリエイティヴ・ヴィジョンUSA)
【8月のアメリカ~新学年の始まり:個性を伸ばすアメリカの学校制度】

日本とアメリカの文化の違いの中で一番明白なものは、
学校制度ではないでしょうか?  
アメリカでは多くの州で8月、9月新学期という制度を採用しているので、
7月の独立記念日が終わるとすぐに新学年、新学期に備えて、
Back to School Saleやプロモーションが盛んになります。
6月の第一週目に学年を終了した私の孫達は、
8月の第2週目から始まる新学年にそなえ、
新しいバックパックや靴を買い揃え、
それぞれの学年に指定されたSchool Suppliesを大きな段ボールに用意しています。
中身は鉛筆、クレヨン、ハサミやノリ、ティッシュボックスからコピー用紙まで 
1学年分の必需品を各自が、学校が始まる日にクラスに持ち込み、
担任の先生がクラスルームで管理してくれるので、
アートやサイエンスのプロジェクトなどで
絵具やクレヨンなどの必需品はクラスに備えてあるので、
子供達がハサミやクレヨンを忘れるという事態がない合理的なシステムだと感じました。 

今年度の孫のクラスでは何人かが集まってCostcoで買い物をして分配したので、
個人で揃える時より大きな節約ができました。

日本の6-3-3制度に対してアメリカはK-12の一貫した制度をとっています。
学年は1年生から12年生までを通してグレードと呼び、中一、高二といった呼び方はしません。
一般的なアメリカの学生の区分は、
K-5 Elementary School(小学校)
6-8 Middle School /Jr. High School(中学校)
9-12 High School(高校)
アメリカには日本のような”入試”、”受験”という観念が無いため、
塾という文化もありません。

勿論アメリカにも私立の学校も沢山ありますし、
Learning Centerのような学校外の教育施設も沢山ありますが、
それらはあくまでも自分の力をより伸ばすことや、
苦手な科目の補足的な勉強のためで、
日本のような受験を目指す塾というのはほとんど存在しません。 

アメリカの大学に入るには、基準の学力と単位を満たし、
SAT/ACTという標準学力テストのスコアを提出し
エッセイと推薦状が必要です。 
エッセイでは、なぜその大学を選び、
そこで何を勉強したいかに留まらず、
学んだ事を将来どのように役立てたいかを訴えます。 
学校のレベルにより成績や標準テストのスコアも重要ですが、
エッセイと推薦状がとても大きなウェートを占めます。 
日本の入試は試験の結果で合否が決まりますが、
アメリカの場合は申請をして評価されるので、
入試の為の勉強ではなく、
自分の個性にあったカリキュラムをこなして、
自分をアピールすることが合格への道となります。
義務教育は年齢で決まり、公立であれば住居地の学区の高校への入試はありません。
アメリカでは州によって義務教育と定められている年齢が異なり、
30州が16歳迄、9州が17歳、そして11の州が義務教育を18歳迄と定めています。 
アメリカの教育制度では、
”個人の能力を見極めた代替えの選択“ができ、
Special Education (障がい者教育)は21歳まで無料で受ける事ができます。 
Home Schoolingでは、自宅で勉強し単位を修得でき、
Home Schoolingを選んでも学区内の学校の活動に参加が可能です。 
就学年齢に関わらず、学年を下げる;
5歳でKindergartenに入らず、6歳になってから入ることも可能ですし、
実力によっては学年を超えて飛び級ができますから、
高校の単位を早く取り終わって、高校に通いながら大学の勉強をすることもできます。
日本のように”落第、留年、浪人“というレッテルを貼ることはありません。 
Elementary Schoolの間は自分のクラスルームがあり、
担任がつくのは日本と似ていますが、
同じクラスの4年生でも6年生の科目を取っている生徒がいたり、
3年生の復習をしている生徒がいることもあります。 
また同じ1年生でも先生によってクラスの設定が全く異なります。

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上の二枚の写真は同じ1年生のクラスでも全く違った設定を示しています。

Teacher’s Loungeという先生がランチをしたり、
休憩をするラウンジはありますが、
日本のように先生の机が並ぶ職員室はありません。
カジュアルなアメリカの学校では、
朝の授業はコーヒーマグを片手に、という先生の姿も見られます。
中学生以上は、各科目の先生が教室を持ち生徒が移動します。
生徒達は自分の目標や進路をカウンセラーの先生と相談しながら
自分で時間割を作っていきます。 
そのため、7年生と8年生が一緒のクラスで
同じ科目の勉強をしたり、
9年生が12年生と同じクラスで勉強をしたりすることもあります。
ミドルスクール以上の生徒は、
自分の教室が無いので、学校の廊下にはロッカーが並び、
そのロッカーはよくアメリカの映画にも出てきます。
(ホームルームの時間はそれぞれが担当となる先生の教室に出向くので、
理科室でホームルームをする生徒もいれば、美術室がホームになる生徒もいます。) 


 

私がコロラド州政府教育庁の招待で教育実習生として
デンバーのハイスクールに赴任した最初の頃は、 
日本との違いばかりで驚きの連続でした。
学校制度もしっかり勉強してきたつもりでしたが、
目の当たりにしたアメリカのハイスクールの実情は
映画よりドラマティックでした。
コロラドでの教育実習、教育庁でのインターン経験、
そして後に二人の子供をアメリカで育て強く感じたことは、
アメリカの教育は自主性を重んじ、個人のレベルを伸ばす
ということです。
その自主性とは独自の力を認識することで、
自分の意見をはっきりと表現する訓練を幼い頃から受けているということです。 

学校のリポートでも大きなテーマの中から 
①自分が調べたい課題を選び、
②何故それを選んだのか?
③そこから何を学んだのか?
と、自分自身の意見や結論を述べることを訓練されています。 
そんな教育の背景が展示会やプレゼンテーションの場面で、
事実を説明する日本人の発表の仕方と、
自分の意見を堂々と述べるアメリカ人のパフォーマンスに
大きな違いが出ていると感じます。

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