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CES等の展示会用映像を作る際の3つのポイント

CES等の展示会用映像を作る際の3つのポイント】

By 清水 保彦(CVプランニングディレクター、コミュニケーションデザイン)

 

●「冒頭の6秒」を大切に
●  映像で説明しない
●「音」を大切にする

CESに限らず、展示会には大小さまざまなモニターが使われます。
特にCESは何といってもIoTの展示会ですから、
出展社によっては巨大なブースのすべてを
LEDモニターで造ってしまうところもあるほどです。
どんなモニターを使うか?
ということも実際の展示会では大事なポイントですが、
今回は「モニターで流す映像素材」の作り方のお話です。

●「冒頭の6秒」を大切に

一般的に、製品の映像は企業ロゴと製品ロゴの
提示から始まることが多いと思います。
そして、映像の最後も製品ロゴが出て企業ロゴで締めるという形になります。
さて、展示会の映像はこれでいいのか? という問題です。
特にオンライン化した
CES2021のスタンダードパッケージ($1,500)の場合、
アップできる映像の長さは90秒。
さらに、その映像を見る人はすでにその企業のページに入っている人です。
貴重な90秒の最初の何秒かを、
企業ロゴの提示に割いていいものだろうか? という点です。

見る人は、始まった動画に接して最初に
「これは何の映像だろう?」という興味を持つはずです。
だとしたら「冒頭の6秒」は「これは何の映像か?」という興味に
答えなければならないということになります。
そこで興味を引かなければ、せっかくページにアクセスした人が
離れて行ってしまうことにもなりかねません。

「冒頭の6秒」は、
まず製品がどんなメリットを与えるか? を手短に感じさせるものでなければならないのです。

●映像で説明しない

展示会映像でよくある構成は、
「こんなスゴイ技術でできている」→
「その技術は、スゴイメンバー(国の研究機関等)と作り出した」→
「こんな使い方ができる」といった順番のもの。
“見る人”の側からすると、最後まで見ても
「どんなメリットがあるか」が分かりにくい
「説明のための構成」をどう感じるでしょう?
展示会の目的は、「技術を説明する」ものではなく、
絞り込んで考えれば「取引先の開拓」や「投資家の興味」を引くことです。
「そんな風に使えるなら、うちも取引したい」とか、
「社会的なインパクトもあるから投資したい」と思わせるためには、
技術の説明に終始する映像では力不足だということができます。
説明ではなく、絞り込んだターゲットの興味を引く。
そのための映像が必要だということです。

●「音」を大切にする

大切にする方法は、
リアルの展示会とオンラインの展示会では少し違ったものになります。

まず「リアルの展示会」の場合は、ざわざわした展示会場の中で、
出展ブースの前を通り過ぎる来場者の足を止めるための音使いが必要になります。
出展場所が少し人通りの少ない(不利な)場所だった場合は、
人を集めるための音使い。たとえば場所が海外なら、
映像に“和風”の音を当てることも有効です。
「あれ? 他の所では聞かない音がする」ということだけでも、
興味を引く一つの要素となります。

そして、オンライン化したCES2021のように、PCの前の来場者が対象の場合。
音がはたすべき役割は、映像の進行を助けるものに変化します。
たとえば「製品がもたらすメリット」のところでは、明るく。
「技術説明」のところではテンポよく。
といった感じに、見ている人に映像の内容が
少しでも染み込む手伝いをするといった感じです。
もっとも、オンラインのCES2021での映像の長さは「90秒」が基本。
その短さの中に何曲も入れるとまとまりがなくなるので、
1曲の中で処理することにはなるでしょうが。

ともかく、「伝えたいことが山ほどある」としても、
映像にすべてを盛り込めるわけではありません。
短い秒数なら、なおさらです。
「見る人は誰か?」「見る人が見たいものは何か?」
の2点に絞って映像の作り方を考えることが、リアルでもオンラインでも必要だと考えます。

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