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Just looking, OK?

 ー CVスタッフのコラムー
By 清水保彦(CV プランニング・ディレクター)
【Just looking, OK?】

Just looking, OK?

たとえばアメリカでお土産屋さんに入る時。
「Hi!」と声をかけてくるお店の人に
見るだけでもいい? と返す「Just looking, OK?」。
「買わないなら、帰れ!」というお店は少ないと思いますが、
これが展示会への出展となると話は別です。

よく日本の展示会で聞く「空きがあったら出たいのですが」が、
この「Just looking, OK?」にあたると思います。
海外の展示会側からの答えは「No!」です。
「出展したいなら、まず申し込め」
「申し込んだら空きスペースを教える」
という感じで、
事前情報は限られたものしか教えてくれません。

日本の会社にとって、これはとても困った問題になります。

これでは、稟議が上げられない

稟議というシステムは日本独自のものですが、
社内の総意をボトムアップで形成していく
それなりに優れたシステムです。
しかし、こと「決定の遅さ」という点では
生産性を下げる要因になっていると思われます。

稟議は社内の総意を形成するシステムですから、
「この展示会に」「このブース位置で」「この製品を」「こんなブースを作って」
「費用はいくらかかる」という中身が必要です。

しかも、稟議の承認(決済)が降りた後で「ブース、取れませんでした」はマズイので、
しっかり裏を取った中身にしないといけません。

なのに、アメリカの展示会は
「申し込めば教える」
「場所がOKなら先にお金を払え」と言ってくるのです。
たとえ場所と費用が明らかになっても、
稟議を上げている間に入金期日を過ぎてしまう。
結局ブースは、他の出展希望者に回ってしまう。

困ったもんです。

海外展示会は、売り手市場

ここでいう「売り手」は、展示会主催者のことです。
たいていの展示会は出展者集めに苦労しておらず、
早く決めた所から順にブースを渡します。
さらにアメリカの場合は「先払い」が原則。
全額とは言いませんが総額の何%かを先払いして、
はじめてブース確定ということになるのです。

ちなみに2024年1月開催のCES。
人気の出展カテゴリーは、すでにほぼ完売。
大きな会場の奥の壁際の小さな場所は残っているかもしれませんが、
たいていの日本企業が望む「良い」場所はキャンセル待ちしかありません。

良い場所を押さえようとするなら、場所押さえ用の稟議を先に通しておく。
で、中身は場所が取れてから詰めていく。
くらいの覚悟が必要になります。

2024年は「ジャブ」でも可

CESに限ってのことかもしれませんが、
2024年は「ジャブ」と考えて本気の「ストレート」は2025年に繰り出す。
という手もアリかもしれません。

2024年は、どんな場所でもどんな大きさ(小ささ)でも
とにかく取れた所に出る。
「良い場所が無いなら出ない」というのは、もったいない考え方だと思います。

それは、出展の手続きとか、製品の輸送とか、出展に必要な雑事とか、
日本の展示会とはまったく違うコミュニケーションとか。
掛け替えのない「海外出展経験のもろもろ」を
少しでも早く体験することができるから。

この「もろもろ」系はブースの大きさと関係なくかならず一定量発生するので、
ひょっとしたら一番小さなブースで出ることが
「費用を抑えつつ経験値を上げる」という観点では
ローリスクハイリターンな選択肢だとも思えます。

ひょっとして2ヵ年計画?

はい。ことCESに限っては、
日本企業がちゃんと出ようとするなら
2ヵ年計画にならざるをえないと思います。

計画→裏取り→根回し→稟議書作成→稟議→承認という多くの日本企業の
意志決定スビートを考えると、
2年かけてやっとアメリカの1年のスピードと同じ。
世界を相手にするビジネスにおいては
絶対的に不利ですが、そうならざるをえない企業も多いのでは?

自社の宣伝で言うわけではありませんが、
「海外出展したい」「CESに出たい」と思い立たれたら
なるべく早く“海外展示会に詳しい”会社にご相談ください。
それぞれの企業の決定スピードと出展されたい展示会に合わせて、
何を、いつまでに、どうしたら良いか。
アドバイスを得ることができると思います。

ご相談される中の1社として、
弊社も加えていただければありがたいです。

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