Kindergartenは小学校。アメリカの学校制度。
ー CVスタッフのコラムー
ロドリガス晴海(CV USA)
【Kindergartenは小学校。アメリカの学校制度。】
日本とアメリカの文化の違いの中で
一番明白なものは学校制度ではないでしょうか?
アメリカでは多くの州で9月新学期という制度を採用しているので、
8月は新学年、新学期に備えて、Back to School セールが盛んになります。
アメリカでは卒業式は大々的に行われますが、”入学式“がありません。
親も正装で厳粛に行われる日本の入学式
アメリカの1st Day of School
アメリカの1st Day of Schoolは、親は子供たちと一緒に床に座り、
コーヒー片手に先生とカジュアルに語り合います。
これも”受験、入試、入学“といった
”入り口を重視する“日本と、
”何を学んで卒業したのか“という出口に重きを置く
アメリカの発想の違いが顕著な部分でしょう。
日本の6-3-3制度に対して、アメリカはK-12の一貫した制度をとっています。
学年は1年生から12年生までを通してグレードと呼び、
中一、高二といった呼び方はしません。
一般的なアメリカの学生の区分は、
Pre-school(保育園)
K-5、Elementary School
(Kindergartenは小学校についている)
6-8 Middle School /Jr. High School (中学校)
9-12 High School (高校) (Freshman, Sophomore, Junior, Senior)です。
日本の学生が、英語で自己紹介をする時、
日本の常識で、
中学3年生を 3rd year in Jr. High Schoolと表現しますが、
アメリカでのJr. High Schoolの3年目は
8th gradeなので日本の中学2年と理解されてしまいます。
同様に、高校3年を3rd year in High School というと、
アメリカのHigh Schoolは4年間なので、
Highschool Junior 11th gradeと勘違いされてしまうこともあります。
日本語をそのまま翻訳して、
中学3年生、高校3年生と表現しても
学校制度が違うアメリカでは年齢や学年を間違って理解されかねません。
これは訳が間違っているのではなく、
聞き手の文化を理解せず、
日本の常識(学校制度)がアメリカと同じという
危ない判断に基づいています。
中学3年生は
“I am in 9th grade”
高校3年ならば、
“I am a high school Senior”などと
相手にわかりやすい言い方を添えると正確に伝わります。
アメリカでの同学年の区切りは9月1日から8月31日までで、
日本の4月から3月という学年の区切りと異なり、
アメリカからの帰国子女は日本の学校に戻る時、
同年代より1年下の学年から学ばなければならないことも多いです。
世界に目を向けると、
フランスの小学校はK-5年生まで(6年間)、
中学が4年間で、高校が3年、
オーストラリアでは、
日本の中学に相当する学校はハイスクールと呼ばれ4年間。
日本の高校に相当する学校はカレッジと呼ばれ2年間。
義務教育は17歳11年生までですが多くの学生は12年生まで進むようです。
オーストラリアは4学期制で新学年は1月末から2月初め、
2か月の夏休みは12月から1月です。
北半球と南半球の気候の違いなどはその土地にいれば明白なことですが、
12月からが夏休みといわれるとなかなか実感がわきませんよね。
6-3-3,小学校、中学校、高校、
中2や、高3という言い方に慣れきっていても、
それが日本の常識であり、
世界各国が全く同じ制度ではないことに注意を向ける必要があるでしょう。
アメリカには日本のような”入試“ ”受験“という観念が無い為、
塾という文化がありません。
勿論アメリカにも私立の学校もありますし、
Learning Centerのような学校外での教育施設も沢山ありますが、
それらはあくまでも自分の力をより伸ばすことや、
苦手な科目の補足的な勉強の為で、
日本のような受験を目指す塾ではありません。
アメリカの大学に入るには、
基準の学力と単位を満たし、
準学力テスト(SAT/ACT)のスコア、エッセイと推薦状の提出が必要です。
エッセイでは、なぜその大学を選び、そこで何を勉強したいかだけでなく、
学んだ事を将来どのように役立てたいかを訴えます。
学校のレベルにより、成績や標準テストのスコアも重要ですが、
エッセイと推薦状がとても大きなウェートを占めます。
日本の入試は試験の結果で合否が決まりますが、
アメリカの場合は申請をして評価されるので、
入試の為の勉強ではなく、
自分の個性にあったカリキュラムをこなして、
自分をアピールすることが合格への道となります。
公立であれば、住居地の学区の中学から高校への入試はありません。
その学区内の住所の証明と、
その年齢までに必要な予防接種が完了しているという証明があれば
公立の高校への入学手続きが完了します。
アメリカの教育制度には、
”個人の能力を見極めた代替えの選択“ができ、
Special Education (障がい者教育)は21歳まで無料です。
Home Schoolingでは、
自宅で勉強し単位を修得でき、
Home Schoolingを選んでも学区内の学校の活動に参加が可能です。
就学年齢に関わらず、5歳でKindergartenに入らず、
6歳になってから入るという選択も可能ですし、
実力によっては飛び級ができ.高校に通いながら大学の勉強をすることもできます。
日本のように
”落第、留年、浪人“というレッテルを貼ることはなく、
個人の力を見出し、個性をのびのびと発揮することが、
アメリカ教育制度の中心理念で、
それは大人になって、
ピッチやプレゼンでも自分の意見をはっきり伝えられる
アメリカ人の原点といえるのではないかと思います。