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Time for Giving

ー CVスタッフによるコラムー
By ロドリガス晴海(CV USA)
【Time for Giving】

クリスマスは日本でも大きなイベントの一つですが、
宗教的な背景を持たず、年間行事の一つとしての祝う日本のクリスマスと
アメリカのクリスマスの祝い方は大きな違いがたくさんあります。
12月のホリデーシーズンにプレゼントについて考えてみました。 


写真:サンタさんはギフトをラッピングしません。
サンタさんからのギフトはリボンだけです。

子供達はイブにサンタにクッキーとミルク、トナカイ達には人参を用意します。
急いで沢山回らなければならないサンタさんは、ミルクやクッキーは食べきらずに次の家へ進んだようです。

日本のクリスマスは、
カップルや友人同士のイベントとして捉えられることが多いようです。
クリスマスイブは恋人や友人と会って、
ケーキやクリスマスディナーを楽しむ光景が良く見られます。
また、クリスマスにはカップル同士が贈り物を交換することも一般的ですが、
基本的にはプレゼント交換は家族や親しい友人の間で行われます。
また子供のいる家庭では、サンタになった親から子供にプレゼントを贈りますが、
子供から親へのプレゼントというのはあまり見かけません。

一方、アメリカではクリスマスは家族全体で祝うことが重視され、
プレゼント交換は家族や親族、友人、職場での仲間同士などの間で幅広く行われます。
この時期は、“Gift of Giving”といって、子供達も貰うことより、Givingの精神を学びます。 
学校の先生、スポーツチームのコーチ、お稽古事の先生などにも
子供達から心のこもったプレゼントが渡されます。 
子供たちは小学生の低学年の頃から、
自分がプレゼントをあげたい人のリストを作り、
通常自分のお小遣いの中でそれを賄います。
我が家でも、子供達が小さいころ、
息子と娘に各$100のクリスマスのお小遣いを渡し、
それぞれのリストに沿って自分達で買い物をさせる習慣がありました。
当時は子供達が携帯電話など持っていない時代でしたので、
二人をショッピングモールに送り、2時間後に迎えの待ち合わせをしていました。 
上の息子は、予算の大半をガールフレンドのために使ってしまい、
リストにあるお友達、先生、コーチの分のお金が足りなくなるということがよくありました。 
反面、娘は、その$100で10人以上もの友達や先生へのギフトを選び、
”Buy Two, get one free―2品買うと3品目が無料“という
クリスマスシーズンによくあるセールを利用して全てを予算内に収め、
ついでにWrapping Paperやリボンもセールで見つけてくるという賢い消費者でした。
さらに娘はその後、お小遣いを貯めて$100を返してきました。
”これはクリスマス用にあげたお小遣いだから返さなくてもいいよ“と言うと、
“貰ったお金で買ったものは、自分からのプレゼントでなくなってしまう。だからこの分は返す” 
と、まだ幼い娘が言った時には、これが本当の”Gift of Giving”の精神だと教えられました。
日本では、デパートやブティックで買い物をすると、
プレゼントですか?と聞かれ、
綺麗なラッピングや袋にリボンやシールを貼ってくれるので
自分でラッピングをすることはあまりありません。(その包装の技も素晴らしい)
しかし アメリカでは買ったものをお店で”包んでくれる“という習慣がありませんので、
クリスマスシーズンには、
各家庭でガレージに保管してある
大きなクリスマス用Wrapping Paperのロール、ハサミ、テープを引っ張り出して、
それぞれの送る相手のことを思いながら自分たちでラッピングをします。 
子供達もハサミが使える年代になると
ギフトは自分でラッピングして、
”To and From” というシールやカードに自分の名前をサインします。 


日本でもクリスマスに限らず、お中元、お歳暮とお世話になった方々へ
“礼を尽くす“という素晴らしい習慣があり、
綺麗に包装された商品に熨斗がついて配送されます。
それはそれで素敵なことですが、
私自身は拙くても子供たちが一生懸命ラッピングをして、
テープがべたべたと貼ってある
お小遣いで買った小さなギフトには送り主からの気持ちが
沢山詰まっているように感じられ心打たれます。
12月は心を込めた贈り物を相手のことを思いながらラッピングする、
Gift of Givingのシーズンです。
受け取った人が笑顔になる贈り物を考えていると心が温まります。
今年のギフトは、送る方への真心を込めたラッピングを工夫をしてみませんか?

 

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