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【アメリカ便り】Thanksgiving~感謝を言葉に

ー CVスタッフによるコラムー
By ロドリガス晴美(CV USA)
【アメリカ便り】~Thanksgiving 感謝を言葉に

アメリカの11月は何といってもThanksgivingを最初に思い浮かべますが、
日本では同じ時期に”勤労感謝の日“が祝日として制定されています。 
この二つは何となく名前も似ているし、日付も同じころですが、
由来や意味が大きく異なります。

由来:
アメリカのThanksgivingは、
1621年にピルグリムと呼ばれるイギリスからの入植者が
ワンパノアグ・インディアンの協力によって
ようやく得られた農作物の収穫を祝うために初めて行われたとされています。
特にイギリスからの移民は、
本国から持ち込んだ種や苗がアメリカの土壌と違う為に全く育たず、
何も収穫が見込めなかった時に、
アメリカ原住民のインディアンは土地に適した食物、
トウモロコシやカボチャなどの苗を分け与え、
栽培法を指導し、移民たちを助けました。
そうした苦労の末に収穫を得た彼らの
最初の年の喜びと感謝は特別なものでした。 
この感謝の祭りは、
イギリスからの移民たちが新大陸での生活の地盤を得たことや
収穫に感謝し、
原住民との友情の証として、
アメリカ合衆国の建国の基盤としても位置づけられているのです。

対して日本の“勤労感謝の日”は、

長い鎖国により移民や植民地支配のなかった日本で
労働者の勤労に感謝し、
勤労者の権利や働き方について考える日として1948年に制定されました。 
時期的には、地域の収穫に対するお祭りと同時期ですが、
収穫や移民と原住民の友情などとは無関係な
日本の労働組合運動や労働法改革に関連しており、
アメリカのThanksgivingとは全く異なる歴史的背景を持っています。
日本では、労働の改善や賃上げについては祝日ではありませんが、
5月1日のMay Dayのほうがより”労働者の日“として認識されているようです。

休日の過ごし方
勤労感謝の日は労働者に感謝する日で、
勤労者の日常の努力と貢献を称えることが目的ですが、
アメリカのThanksgivingのように大々的に祝う習慣はなく、
一つの休日として、
家族や友人との時間を楽しむことが一般的で
特に大きな”行事“として祝われることがない静かな休日です。

Thanksgivingはアメリカ合衆国で最も大きな祝日の一つで、
家族や友人が一堂に集まり、
伝統的な食事を共にする習慣があります。
パレードやアメリカンフットボールの試合など、多くのイベントも行われます。
この祝日は家族が北と南にわかれて戦った
悲惨な南北戦争の後にリンカーン大統領によって
” 家族の絆を強める “という意味を込めて11月の第4木曜日と制定されました。
そのため、家を離れた学生や様々な地域に散らばった家族も
この日をめがけて里帰りするので
Thanksgiving前の1週間位前から前日までは、
アメリカ中の空港は大混雑。
主要なハイウェイは家族全員、
時にはペットも乗り込んだ車で大渋滞が起こります。
感謝祭の食卓の中心は5キロから7キロの大きなターキー。
普段は使われないような銀食器がこの日のために磨かれています。 

そして、食事の前には家族が手を繋ぎ、大人も子供もそれぞれが
”感謝すること“ 
”I am thankful for…”
と全員が自分の言葉で話します。

結婚や出産で新しく加わった家族や、
その年に亡くなった人への感謝の言葉も必ず聞かれます。

感謝の言葉を
これらの違いからも分かる通り、
アメリカのThanksgivingと日本の勤労感謝の日は
異なる文化的背景や異なる価値観や伝統に基づいているので
比較の対象とはなりませんが、
この時期に私が思うことは、
日本人は新年、入学式、成人式などの区切りの日に
”決意“を表明することはありますが、
”感謝の言葉“を口にだして表現することが苦手だということです。 
特に、仕事や営業では、
ありがとうございますとすんなりいえる日本人でも、
身近な人に感謝の言葉を口にすることは
照れくさいのかもしれません。 
周りがいつもさりげなくやってくれていることに
感謝の言葉を忘れていませんか? 
温かい食事が待っていても疲れて帰ってきた日には、
”ありがとう“の前に、
”いらない“ ”食べてきた“などと言ってしまいませんか? 
職場の誰かが何かをしてくれた時、
仕事だから当たり前ではなく、
一言、”ありがとう、助かった“と口にするだけで
その場が少し暖かくなります。 

11月、アメリカはThanksgivingの月です。 
これをきっかけに周りが自分にしてくれていることに
”気づき“、
心からの感謝の言葉を口に出してみませんか? 
まずは一番身近な人に…

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