TOPへ

BLOG
  1. トップページ
  2. BLOG

アメリカ最前線リポートVol.25

ー CVリポートー
By アーカス・リツコ(CV メルマガ編集長)
【アメリカ最前線リポートVol.25】
・マッカーシー共和党下院議長解任
・医療従事者が賃上げ求めストライキ

マッカーシー共和党下院議長解任
2024年の大統領選に向けて、候補者選びに苦戦する共和党に新たな内紛が勃発しています。
10月3日、米下院は、マット・ゲーツ氏を中心とする共和党保守強硬派議員が提出した
マッカーシー議長の解任動議を216対210の賛成多数で可決しました。
内訳は、共和党議員のうち8人が解任動議に賛成し、
210人はマッカーシー氏の続投を選びましたが、
民主党の全議員が賛成票を投じため、マッカーシー氏の解任が決まりました。
下院議長の解任は史上初めてです。
議会は先日、政府機関閉鎖をギリギリで回避したばかりでしたが、
今回の解任騒動で、共和党内の内部は大きな混乱に陥っています。

マッカーシー氏は今年の1月に下院議長選で選ばれたばかりでしたが、
ゲイツ氏ら身内の造反により、
異例の15回目の投票で過半数票を得たという経緯があります。
また就任後もその指導力に対しては、強硬右派議員からの不満が充満しており、
議会でも度々衝突し、交渉を困難にしてきました。

議会は、マッカーシー氏を支持していたパトリック・マクヘンリー議員が
臨時の下院議長に就任し、休会を宣言しましたが、
下院は今後、新たに議長を選出する必要があります。
マッカーシー議員は再出馬をしない旨を明らかにしていますし、
強力なリーダーが不在の共和党において、後任選びは困難を極めることが予想されます。
ただ、下院議長は、大統領権限の継承順位が副大統領に次ぐ2位の要職で、
下院における立法上の優先事項を決定し、
ホワイトハウスの政策課題の行方を左右する立場にあるので、
いつまでも「臨時」もしくは空席のままにしておくわけにはいきません。
いつ、そして誰が選ばれるのか成り行きが大いに注目されています。

医療従事者が賃上げ求めストライキ
全米自動車労組(UAW)、ハリウッドの映画俳優組合(全米脚本家組合のストは150日続いた後に一応収束)
のストが続く中、
今度はアメリカの大手医療・保険グループ「カイザー・パーマネンテ」の
労働組合連合の医療従事者7万5,000人が
10月4日、賃上げを求めるストライキに入りました。
労使双方は、従来の労働協約の期限だった
9月末を過ぎた後も協議を続けていましたが、双方の折り合いがつかず、
ストが強行された模様です。
このストには、カリフォルニア、オレゴン、ワシントン、コロラド、バージニア各州と
首都ワシントンの病院や診療所の看護師、医療技術者、支援スタッフが参加しており、
医療業界では過去最大の規模です。
カイザーによれば、臨時職員を充当して病院と救命救急部門の運営は
続けられているということですが、ストは3日は続くということなので、
患者のケアが行き届くのかが心配されています。

Copyright © CREATIVE VISION. All Rights Reserved.