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コロナ禍で変わった新しいCESのかたち ~出展苦労話~

ー CVスタッフのコラムー
  By ロドリガス晴海(CV USA)

【コロナ禍で変わった新しいCESのかたち~出展苦労話~ 】

CES 2022の仕事を終え、Las VegasからSan Joseの自宅に戻った私は、
自室での3日間の自主隔離を経て
再度の検査で陰性を確かめられたので、ようやく普通の生活を送り始めました。
家に戻った時は、スーツケースや靴はもちろんペンやクレジットカードの全てを消毒して、
食事や飲み物も紙皿紙コップで、家族がマスクと手袋をして部屋の前まで運んでくれました。

しかし実を言えば、この期間中は、(陰性であることは確認済でしたし)
家事もせず自分の部屋にこもっていたので、仕事ははかどりラッキーな期間でした。

CE2022の様子やトレンドは多くのリポーターが取材をされているので、
私は、代理出展、パビリオン運営の立場といった別の角度からCESを振り返りたいと思います。

1.12月末に出展者さんが渡航禁止または渡航断念

私達は、Japan Techのパビリオングループ出展の他、

複数の単独のブースの運営を担当していましたが、

多くの出展社様がぎりぎりになって渡航を断念されましたので、
① アメリカ現地法人やアメリカ在住の協力会社の方に代理でブースに入って頂くケース
② Las Vegas在住で展示会アテンドができるスタッフを急遽調達して代理出展というケース
に対応することになりました。
① の現地法人や、協力会社の方は製品の知識がありますが、
急遽募集したアテンドスタッフは、出展者の代理という立場で
ブースに立つことになり、各社の出展製品や技術を急いで学び、
現場に臨まなければなりませんでした。
しかし、急な依頼にもかかわらず、Creative Vision Las Vegasのスタッフのご縁から、
大変有能でやる気のある方が集まったことは幸運でした。
Las Vegas在住の日本人、日系2世やハーフの方々など
日本語も良くわかる頼もしいバイリンガルスタッフが揃い、
ブースを盛り上げてくれたことには心から感謝しています。
私自身も渡航できなくなった大学の出展者さんの為に、
クリスマスイブに4人の教授からの1時間ずつのレクチャーを受け、
内容を把握するだけで頭がパンクしそうでしたが、
乗り切ることができましたのでほっとしています。


FUKUOKA Smart EAST
スタッフは日本出展者さんと毎日ZoomDaily Meetingを行いました。

2.ロジスティクスでの初体験
代理出展の人材はなんとか集まったものの、
出展者さんが自ら持ち込む予定だった製品や資料、備品などは
12月末に輸送をしても間に合いません、
そこで、Creative Visionの施行運営スタッフが輸送スタッフに早変わり。
東京と大阪のスタッフがそれぞれ手荷物とチェックイン荷物にわけて
多数の製品や資料を運ぶことになりました。 
航空会社によっては、追加料金を払っても、チェックインできる荷物の数に制限があり、
一時はどうなることかと思いましたが、航空会社と交渉して、
12個の追加チェックインを認めさせるなど、ただでさえコロナで煩雑な出国手続きに加え、
出展者さんから届いた荷物の運搬に、スタッフは大変な苦労をしました。 
また施工スタッフは、会期中だけでなく、会場にブース素材や出展製品を運び込む
Move-Inの日からLas Vegas入りしているので、
第一陣は12月27日から、第2陣は元日のフライトと、
CESに関わる私達はクリスマスもお正月もありません。
出展者さんの荷物の搬送の為にフライトを変更し、
現地での輸送のためのトラックの手配まで、目には見えない苦労がありましたが、
日本とLas Vegasのスタッフが綿密に打ち合わせを行うことで紛失も破損もなく、
製品や備品は無事ブースに届ける事ができました。
Creative Visionロジスティクス部門の誕生です。

3.動画ダウンロードでPCはパンク寸前

先発スタッフが搬入施行で忙しい間、
私は渡航できなくなった出展者さんのVideoや画像の編集とダウンロードに大忙し。
それぞれの出展者さんがご自身で持参する予定だった
USBやPCやCloud上のドライブが全て私に送られてきます。 
(教授陣の映像は、ダウンロードに1本45分以上かかりました!)
CESでは会場のネットワーク環境が不安定な為、
USBやPCの中で保存していなければ(言い換えれば自分で持っていなければ)
会場での配信が不安です。
1月4日朝6時にラスベガスに向けて出発しなくてはならなかった私は
午前2時の時点で、全てのダウンロードが完了していない状態には慌てました。 

何とかラスベガス入りし、頭の中だけでなくPCのStorageも
パンク寸前状態でしたが、一息つく暇もなく、
PCとHDMIケーブルでつなげての配信予定から、
USBに落とし込んだ配信へ変更するため、USB, Media Playerの調達に走りました。

そして迎えたCES2022初日。
出展者さんの映像が、それぞれのモニターに問題なく映し出された時は
心からホッとしました。

4. Hybridなプレゼンとデモ

渡航できなくなった出展者様に変わり、
アテンドスタッフは製品のプレゼンも担当することになりました。
そこで、私たちは12月末からZoomで
何度も練習やリハーサルを繰り返しました。
現地スタッフが堂々と自信をもって、製品や技術のプレゼンができたのも
彼女たちの質の高さと地道な努力の成果と言えます。 
また、ある出展者さんはCES2022の開催時間帯に合わせて、
日本のスタジオとブースをネットで繋ぎ、リアルタイムでデモを行いました。
Las Vegasの開場時間はアメリカ時間の朝9時、日本は午前2時ですが、
スタッフ全員がスタジオでスタンバイ。
リアルタイムで参加された出展者さんの気合と意気込みには頭が下がりましたが、
その甲斐あって、専門誌、業界の技術者、医師など
多くの引き合いがあり、リモート出展の効果を出されました。 
また最後の最後に渡航を断念された出展者様は、
Zoomでステージのモニターと繋ぎ、
そこからライブでのプレゼンをされ、こちらも大きな成果を上げました、

この時、私は 
“CES is a place where you can see the near future.

Let’s talk with tomorrow, LIVE FROM JAPAN.

It’s 3pm here, but it’s 10 am tomorrow!”

(CESは近未来の見える場所、もう明日になっている日本とライブで繋がっています。
今、ここは午後3時、でも日本は明日の午前10時です) 
と呼びかけると、多くの方の足が止まりました。


日本のスタジオとライブで繋がりデモができました


Zoomで映像を繋ぎ日本からのプレゼン、
は現場で製品のデモをしました。

CES2022においては、施行運営だけでなく物流もやり、
出発間際に6時間をかけた出展者の映像ダウンロード、
出展者に代わりブースに立ち、日本からのライブを繋ぐという
新しい経験から多くのことを学びました。
コロナで変わった新しいCESの形が少し見えたような気がしました。

今年経験した様々なことはすべて私たちの財産になり、
来年以降、さらに良いサービスを
提供するための糧になったように感じています。

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