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効果的なプレゼン、スピーチを 行うために欠かせないパプリックスピーキング能力

ー CVスタッフのコラムー     
By アーカス・リツコ(CV メルマガ編集長)
【効果的なプレゼン、スピーチを行うために欠かせないパプリックスピーキング能力】

4月に入り、早くも夏の気配が漂うラスベガス。
先週は凍えるような日もあったにも関わらず、4月11日には34.4Cという記録的な暑さでした。
今週末からは暑さも和らぐようですので、酷暑の前の心地よい天気を楽しみたいと思っています。

さて、アメリカでは様々な事件が起きていますが、
今回はコラム担当ですので、
いつもとは違った内容で、アメリカで子育てをしながら気がついたことを
書いてみたいと思います。

アメリカの学校では「パブリックスピーキング」が授業の一環として行われる

日米では教育方法は異なりますし、
日本でもアメリカでも住んでいる地域によって教育レベルの格差はあると思います。
しかし、日本で教育を受けた私が、アメリカで教育を受けている子供たちを見ていて
一番羨ましいと思うことは、
アメリカでは「パプリックスピーキング」(プレゼンやスピーチなど公の場で話すこと)
が授業の一環として行われていることです。
それは就学時から始まり、幼稚園から小学校低学年では、
「Show and Tell」という自分の好きなものや体験をクラスの皆の前で話し、
他の生徒からの質問に答える授業が定期的に行われます。
これは「好きなものについて」というのが重要で、
自信を持って好きなものについて話すことが
自己肯定感につながり、人の話を聞く能力が向上するそうです。
私の子供たちもShow and Tellの番が近づくと、
嬉々として準備を進め、学校から帰って来てその結果を興奮しつつ報告してくれました。
学年が上がるにつれ、自分の研究テーマを発表したり、
特定のテーマについてディベートしたりと、内容は変化していきますが、
パプリックスピーキングのクラスの芯にあるものは
「相手を説得するためにわかりやすく話す」
というプレゼン能力を高めるということにあります。
誰にでも平等に発表の機会があり、
性格がシャイで内向的な子でも、まずは好きなことから取り組む、
そして練習、準備を重ねて人前で話す機会を増やすことで、
自己主張ができるようになっていきます。
そして、「パブリック・スピーキング」という
社会人として大切な能力を長い時間をかけて養っていくのです。
私の息子は大学生ですが、
「パプリック・スピーキング」のクラスは必須科目です。
元来、シャイな性格なのですが、機会を与えられると
ちゃんと自分の意見を述べることができます。
これも小さな頃から人前に出る機会を与えられているからなのでしょう。
対して、私はと言えば、仕事上、人と話すことは多く、
少人数が相手ならばまったく問題ないのですが、
不特定多数の人前に出るといまだに緊張してしまいます。
決められた文章を読むだけでも
ついつい口癖の「えっと」が出てしまいますし、
突然スピーチをするなんて機会の時は、何を話したかの記憶すらありません(笑)。
圧倒的に場数と訓練が足りないのだと自覚しています。
日本の教育システムにも「言いたいことを伝える」授業は
ぜひ導入して欲しいと思います。

伝えたいことをどう話すか

また自分の言いたいことをどう話すか、伝えるかというのにもメソッドがあります。
アメリカではスピーチやエッセイなどは
1. Introduction(何を伝えたいのかはっきり伝える)
2. First, Second and Last Supporting Idea
(なぜそう思うのかを順を追って説明する)
3. Conclusion(結論を述べる)

の順番に沿って話を進めます。

アメリカで教育を受けている人たちはその訓練ができているので、
とっさのスピーチでも論点をそらすことなく話を進めることができるのです。
日本の起承転結とも似ていますが、
日本のスピーチや論文のように、
「何々だから、何々で、何々である。従って、こうなのだ」
というように
結論が終わりに来ることは決してなく、
まず結論を先に述べますので、
極端な話、最後まで話を聞かなくても主張したいことは伝わるのです。
これは仕事をする上で、プレゼンの場などで大変重要なことであり、
日常生活にも役に立ちます。
余談ですが、私は結婚した当時は
「君が何で怒っているのか最後まで話を聞かないとわからない」
と夫(アメリカ人)に言われたことがあります。
つまり、私のケンカの仕方は
「あなたはこうだから、あぁだから、だからあなたが悪いのよ」というスタイルで、
何で怒っているのか最後まで言わない。
対して夫は、
「今回は君が悪い。なぜならば…」と例を示して理路整然と私を追い詰める。
これはかなわないと思いました。
今では私もアメリカ式で立ち向かうようになり、
勝率も上がりましたけれど…(笑)。

パプリックスピークング能力が上がればプレゼンの成功率も上がる

アメリカの展示会などでスピーチを行う場合にも、
「世界情勢がこうで、こういう時代であるからして、
世間はこういうものを求めているので、
どこどこの開発期間、研究者(長い経歴)が
何年の月日をかけてこの製品を完成しました。云々。
従って業界に革新をもたらす製品が〇〇です」
…では最後まで聞く前に、聞き手が飽きてしまいます。
しかし、
「これから「〇〇(製品名)」を発表します。
これは業界に革新をもたらす製品です。
なぜかといえば世界情勢がこうで、こういう時代であるからして、
世間はこういうものを求めているので、
どこどこの開発期間、研究者(長い経歴)が
何年の月日をかけてこの製品を完成したのです」
…と言えば、同じ内容でも伝わり方が異なります。
明瞭な言葉で簡潔に、絶対に伝えたいことは最初に話す。
パプリックスピークングの極意はここにあります。
それを心がけるだけで、話す内容の価値が上がり、
アメリカのプレゼン、スピーチの勝率は確実に上がるのです。
あとは、場数です。
人前に上がるチャンスを恐れず、堂々とわかりやすく
日本のよさ、製品をアピールしていくために
話す順番、話し方を工夫して成功率を上げていきましょう。
(もちろん私自身に向けた言葉でもあります!)

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