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~アメリカ便り~ アメリカの独立記念日と愛国心

ー CVスタッフのコラムー   
    By ロドリガス晴海(CV USA)

~アメリカ便り~
アメリカの独立記念日と愛国心

アメリカの7月と言えば、4日の独立記念日です。
全米の小売店では5月末頃から、独立記念日を祝うグッズ、
星条旗をかたどったパーティー用のお皿、カップなどのセールが始まります。
それぞれの家も庭を飾りつけ、帽子、Tシャツ、パンツ、サングラスなど、
身に着けるものまでも星条旗一色で、7月のアメリカは赤白青で埋まります。

アメリカの独立記念日は、1870年に連邦議会により 7月4日と制定されましたが、
そこに至るまでには、100年に及ぶ イギリス、フランスの植民地支配からの
解放への戦いがありました。
アメリカは、日本のように”土着民“が築いた国家ではなく、
ヨーロッパ(主にイギリス)からの移民が開拓した国であり、
その移民たちが、本国から課せられた重税や治外法権に不満を募らせ、
”独立“を宣言するに至ったことが背景にあります。

歴史的な背景をみると:
古くはイギリスが東海岸、フランスが内陸と、英仏は支配をめぐり戦っていましたが、
10年以上の戦いの後にイギリスが勝利し、アメリカを支配しました。  
イギリスは、アメリカ支配をめぐるフランスとの戦いで財力や兵力を使い果たし、
アメリカ移民たちに重税を課し、移民たちは本国からの不当な重圧に抵抗して
独立を目指すようになりました。
1776年、イギリス支配下の13州が会議で独立を宣言。
この13州はイギリス由来の名前、ニューイングランドや、ニューヨークなどで、
イギリスの地名の頭にNewという言葉がつけられていることからも

イギリスからの移民がそこに新しい生活の場を築いていたことが伺えます。
実際には、この宣言後もイギリスの支配は続きましたが、
1783年、アメリカ軍がイギリス軍に勝利したことで、”本当の意味” の独立国となりました。 
当時、世界最強といわれるイギリス海軍に対し、アメリカ軍は内陸で粘り強く戦い、
イギリスに対抗するフランスなどの多くの国からの支援を得て勝利に至りました。
海に囲まれた小さな島国、純粋な単一民族の日本では、

2月11日が日本の建国を祝う建国記念日に制定されていますが、
紀元前660年頃を日本国家の成立とすると、国としての歴史は2680年以上、 
アメリカの独立は1776年とされていますので、
まだ245歳のアメリカは日本の10分の1の歴史しかありません。 
移民や植民地支配された経験のない日本に比べ、ヨーロッパからの移民が開拓し、
植民地支配を受けていたアメリカは 

独立後、“国を護る”という アメリカ国民としての意識が高まりました。 
日本では、祝日に国旗を掲揚する家も見られますが、
2月の建国記念日に国民が揃って日の丸のデザインの服を着たり、
家の周りを日章旗で飾ったりという風景は見られません。
アメリカは人種のるつぼと言われますが、どんな人種であれ、「アメリカ国民」。
7月の独立記念日が近づくと、星条旗のデザインの衣服やグッズを身に着けて、
伸び伸びと愛国心を表現し、独立記念日のパレードには 
多くの軍隊の支部や師団、Communityの団体がパレードに参加をして、
アメリカ国民であるプライドを表現します。
沿道の観衆は、
“Thank you for your service!私達を護ってくれてありがとう!”
という声がかかります。

アメリカでは現在、
6種類の軍事機関:陸軍(Army)海軍(Navy)空軍(Air Force)宇宙軍(Space Force)、
沿岸警備隊(Coastal Guard)海兵隊(Marine)があり、
国内外の基地で、自国民だけでなく協定を結んでいる国々を護る為に
兵士たちが家族から離れて駐屯し、平和の為の活動をしています。
軍事機関だけでなく、各地の警察や消防隊、また政府機関に従事する人達も
 “まず国と市民を護る” というミッションと第一に掲げています。 


               

アメリカ生活の長い私ですが、日本を愛する気持ちを失くしたことはありません。

しかし、自分の身の回りには、星条旗のデザインのTシャツやスカーフ、

イヤリングまでありながら、日本人であることのプライドを表せるものが

あまり見当たりません。
勿論、愛国心を表す手段は国旗を掲げるだけではありませんから、
現在、展示会という日本企業の素晴らしい技術や製品を世界に紹介する業種に関われることが
私にとっては、とても嬉しく誇りに思うことなのです。
40年以上アメリカに住み、日本とアメリカを繋ぐ仕事に関わり、
私の得た結論は、
“文化の違いやギャップは埋めることはできない。でもそれを繋ぐ橋を架ける事はできる” 
ということです。 
日本とアメリカ、近いようで全く発想の違う二つの国が良いところを吸収しあい、
調和を保った関係がこれからも続くことを祈り、
私も自分のできる精一杯を尽くしたい、そんな気持ちを新たにしています。 

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