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~アメリカ便り~ 8月のアメリカ 

ー CVスタッフのコラムー   
    Byロドリガス晴海 (CV USA)

~アメリカ便り~
8月のアメリカ 
新学年の始まり アメリカの学校制度

日本とアメリカの文化の違いの中で一番明白なものは、

学校制度ではないでしょうか?  
アメリカでは多くの州で9月新学期という制度を採用しているので、
8月は新学年、新学期に備えて、Back to School セールが盛んになります。
日本の6-3-3制度に対して、アメリカはK-12の一貫した制度をとっています。
学年は1年生から12年生までを通してグレードと呼び、
中一、高二といった呼び方はしません。
一般的なアメリカの学生の区分は、
Kindergarten (幼稚園)
1-5 Elementary School (小学校)
6-8 Middle School /Jr. High School (中学校)
9-12 High School (高校)

アメリカには日本のような”入試“ ”受験“という観念が無い為、
塾という文化がありません。

勿論アメリカにも私立の学校もありますし、Learning Centerのような 
学校外での教育施設も沢山ありますが、
それらはあくまでも自分の力をより伸ばすことや、
苦手な科目の補足的な勉強の為で、日本のような受験を目指す塾ではありません。 
アメリカの大学に入るには、基準の学力と単位を満たし、
SAT/ACTという標準学力テストのスコア、エッセイと推薦状の提出が必要です。 
エッセイでは、なぜその大学を選び、そこで何を勉強したいかだけでなく、
学んだ事を将来どのように役立てたいかを訴えます。 
学校のレベルにより、成績や標準テストのスコアも重要ですが、
エッセイと推薦状がとても大きなウェートを占めます。 
日本の入試は試験の結果で合否が決まりますが、
アメリカの場合は申請をして評価されるので、
入 試の為の勉強ではなく、自分の個性にあったカリキュラムをこなして、
自分をアピールすることが合格への道となります。
アメリカの学校は“School District”という教育管理機関が統括し、
群や都市にあるSchool Districtに細かく分散され、
各学区は独自のルールで運営されます。
そのため、都市や地域により
始業日、終業日、祝日もバラバラなことがあります。
義務教育は年齢で決まり、
公立であれば、住居地の学区の高校への入試はありません。

アメリカでは州によって義務教育と定められている年齢が異なり、
30州が16歳迄、9州が17歳、そして11の州が義務教育を18歳迄と定めています。

アメリカの教育制度には、
”個人の能力を見極めた代替えの選択“ができ、
Special Education (障碍者教育)は21歳まで無料です。 
Home Schoolingでは、自宅で勉強し単位を修得でき、
Home Schoolingを選んでも学区内の学校の活動に参加が可能です。 
就学年齢に関わらず、学年を下げる:5歳でKindergartenに入らず、
6歳になってから入ることも可能ですし、
実力によっては飛び級ができますから、
高校に通いながら大学の勉強をすることもできます。 
日本のように
”落第、留年、浪人“というレッテル
を貼ることはありません。 

中学生以上は、各科目の先生が教室を持ち、生徒が移動します。 
生徒達は自分の目標や進路をカウンセラーの先生と相談しながら
自分で時間割を作っていきます。 
ミドルスクール以上の生徒は、自分の教室が無いので荷物は
廊下にあるロッカーにしまいます。
ロッカーはアメリカの映画にもよく出てきますよね。

先生が教室をもっていますから、
”職員室“はありません。 
Teacher’s Loungeといって、先生がランチをしたり、
休憩をするラウンジはありますが、先生が机を並べている職員室がありません。

私がコロラド州政府教育庁の招待で、
教育実習生としてデンバーのハイスクールに赴任した最初の頃は 
日本との違いばかりで驚きの連続でした。
英語も学校制度もしっかり勉強してきたつもりでしたが、
実際に目の当たりにした

アメリカのハイスクールの実情は映画よりドラマティックでした。
コロラドでの教育実習、教育庁でのインターンから学んだこと、
そして後に二人の子供をアメリカで育て、強く感じたことは、
アメリカの教育は、自主性を重んじ、個人のレベルを伸ばす 
ということでした。
その自主性とは 
独自の力を認識することで、
自分の意見をはっきりと表現する訓練を幼い頃から受けているということです。 
学校のリポートでも与えられた統一の課題では無く、
テーマの中から 
①自分が調べたい課題を選び、
②何故それを選んだのか?
③そこから何を学んだのか?と、
自分自身の意見や結論を述べる事を訓練されています。 
そんな独自の個性を伸ばす、意見をはっきりと述べる
というアメリカ教育の背景が
展示会やプレゼンテーションの場面で、
事実を説明する日本人の発表の仕方と、
自分の意見を堂々と述べるアメリカ人の
パフォーマンスに大きな違いが出ていると感じます。

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