TOPへ

BLOG
  1. トップページ
  2. BLOG

CES2023で出会ったホッコリさんたち

 ー CVスタッフのコラムー     
By 清水保彦(CV プランニング・ディレクター)
【CES2023で出会ったホッコリさんたち】

CES2023は、1月8日を会期最終日として終了しました。
清水は10日にラスベガスからロサンゼルスに移動し、
11日発の便で12日に帰国しました。
(その間のドタバタは、また別の所で)

CES2023がどのようなものであったかは
いろいろな所で報告会も開かれていますし、
ここでは触れません。
全体視より個体視ということで、
ちょっと面白いと思った例を2つ挙げさせていただきます。

題して
「CESで出会ったホッコリさんたち」
1つは誰にでも真似できて、
もう1つは誰にでもできるわけではない例。

でも、ただ面白いだけでなく意外に深く
来場者の心を捕まえる。
そんなプロモーション方法でもあるお話です。

本人知らぬ間にGoogle Dog

アメリカは、ドッグフレンドリーな国。
CES会場も例外ではありません。
一定の認証を受ける必要はありますが、

入場を許可された犬たちがサービス・ドッグなどとは別に

様々な場所で活躍しています。

 

その中でもグレートデンは珍しく、
写真のペアはみんなの注目を集めていました。

「犬種は何?」   
「グレートデンよ」
「噛まない?」   
「噛まないわ」
「撫でてもいい?」 
「ぜひ撫でてやって!」

清水はジャックラッセルを飼っているので
その写真を見せて盛り上がったりして・・・

で、最後にありがとうをして離れようとしたら、
「このQRでアクセスして!」と首から下げたIDを裏返す。
はい。GoogleのCESサイトでした。

グレートデン本人は知らん顔でしたが、
本人とは関係なく、Google Dogになっていました。

犬に限らず、会場をウロつく時には
製品を肩に乗せたりして
声をかけてもらいやすい状態にしておく。
何せアメリカは、ちょっと目立つものを身に着けていると
「Nice Boots!」だとか
「I like it!」とか声をかけて来る人多数。
(ただの挨拶程度で他意はない)

自分のサイトのQRをプリントして
IDの裏に貼っておけば、
グレートデンのお姉さんと同じことができる。
誰にでもできる、ホッコリプロモーションです。

Samsung Free Ride

こちらはお金だけでなく、
いろんな根回しが必要で
かなり誰にでもできるわけではない例。

SamsungのSound Towerというスピーカーで
ガンガンに音を流しながら
無料で客を乗せるリキシャみたいなサービス。

写真をよく見ると、ドライバーの後ろに
背を向けたセキュリティが写っています。
つまりこのフリーライドは、
一般車はもちろんUberも入って来れない
セキュリティゾーン内に入って来れるのです。

「どこまで乗れるの?」という質問に
ドライバーは「Anywhere!」と答える。

ま。会期中の会場正面なので、別の会場か
せいぜいストリップの
ショッピングセンターくらいまでと
たぶん行先はそんな所でしょうが、
とにかく「どこでも行くよ」「無料だよ」と言う。

このドライバーの場合
かなりの音量で鳴っているのは、
ルックスにピッタリなハードロック。
流れる音楽はFree Rideごとに違い、
音楽で乗る車を選ぶのが大事。

会場間シャトルバスも行列だし、
モノレールの駅は遠い、
トンネルの中をテスラで走るLoopも
隣の会場までしか開通していない。
どうしよう?
と悩む来場者の心をガッツリつかむフリーライド。

セキュリティゾーンの中に入れる根回しと、
何よりも何台も運行させる資金力。
誰にでも真似できるものではありませんが、
「こんな人間的な手もあるんだ!」と
感心してしまうホッコリプロモーションです。

「見せる」ではなく「話す」
それがCESの本質。

CESのことを日本で説明する時、
「IoTの総合展示会」とか
「未来が見える家電ショー」とか
“見る”とか“見せる”とか
誤解させるような表現が多いのですが、
CESの本質はこれではないように思います。

「見せる」だけでは、
せっかくお金をかけてラスベガスまで来た
意味がありません。

犬をネタに自社サイトに誘導するように、
製品をネタに来場者と「話す」。
フリーライドのように
来場者がしてほしいことをしてあげつつ、
製品の体験を拡大する。

展示の先にあるコミュニケーションのステージ。
それがCESなんだと思います。

Copyright © CREATIVE VISION. All Rights Reserved.