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Give, Ask, Gratitude , “Buy Nothing” アメリカ人にみるGiving Forwardの精神

ー CVスタッフのコラムー     
By ロドリガス晴海(CV USA)

【Give, Ask, Gratitude , “Buy Nothing”

   アメリカ人にみるGiving Forwardの精神】

日本でも10月の行事としてハロウィーンを思い浮かべる方が増えてきました。 
昨年はコロナの影響でPumpkin Patch(カボチャ園) への人出も少なめでしたが、
今年はそれを取り返すかのように9月末から街にあちらこちらに、
大きなPumpkinのサインのPumpkin Patchが目立ち、
週末はとてもにぎわっています。

アメリカのハロウィーンは宗教的な意味は薄く、
カボチャをくり抜いた”ジャック・オー・ランタン“を作って家の外に飾り、
10月31日は子供達はコスチューム姿で、
日没後、近くの家を訪れて、
”Trick or treat?“と声をかけて
お菓子を貰うことが定番になっています。
大人たちも家族や友人がコスチュームで
ハロウィーンパーティーに集まることは
10月の一つの楽しみになっています。
一昨年は、近隣の家を訪ねる” Trick or Treat “は自粛。
今年のハロウィーンはマスク無しでTrick or Treatができるので、
親たちは早いうちからコスチュームを考えなければなりません。 

そこで心強いのが、
私の住んでいる地域にあるFacebookを通じた
”Buy Nothing“というグループです。
これは不要になったものをポスティングして、
欲しい人に譲るという主旨のもので
地域のリサイクルの素晴らしいリソースになっています。
特にハロウィーンのコスチュームなどは、
年に1度しか着ないうえに、
次の年にはもう小さくなってしまっているので、
9月10月はコスチュームが多くポスティングされています。

アメリカは寄付(Donation)や
リサイクルがとても活発なので
“中古やおさがり” という意識はありません。
”親戚の子が訪ねてくるので、
1週間ほどCar Seatを貸してほしい“、
“旅行時の子供用スーツケースやバックパックなどを貸してほしい“、など、
一時的に必要なものをコミュニティーの中の
クローゼットで忘れられている物を
大人も子供も上手に有効活用しているのです。
受け渡しは、ポーチピックアップと言って、
Facebookのメッセージを通して日時を決め、
Giver(あげる人)がバッグにいれて名前を付けて
ポーチ(家のドアの前)に出して置くと、
Receiver(貰う人)が自分の都合の良い時に取りに行くというシステム。
地域を限定したグループなのでピックアップも簡単です。
(受け渡しの住所の連絡などは、Private Messageでやり取りをしますが、
実際に顔を合わせる必要もありません) 
服や靴ばかりでなく、授乳中のお母さんたちがポンプのパーツを
融通し合うこともできます。
私達がこの地域に引っ越してきたばかりの頃、
パティオテーブルが欲しいと思っていた時に、
州外に引っ越す家族がパティオテーブルをPostingしているのを見つけ、
タイミングよく受け取ることができました。
また、Costcoで2パックのシリアルを買ったけど
使い切れないから、未開封の1パックあげます
といったポスティングがあったり、
時にはWedding Dressやピアノまで
ポスティングされていたりと内容は様々です。
どこの家庭にも” 使わなくなった新品“や 
勇んで買ったけどなんとなく気に入らないものが
クローゼットやガレージに眠っていて、
捨てるにはもったいないので誰かが使ってくれないかしらと
思うものがあるのではないでしょうか? 
地域で、本当に使いたい人にあげる、
Buy Nothing Groupはとても合理的だと思います。
それに、”お返し”などの心配はありません。
誰かから貰ったら誰かにあげるという
純粋なGiving Forwardの精神です。 
またGiftは物だけではなく、タレントやタイムもあります。 
プロではないけど写真が好きな人が
家族のポートレートを撮ってあげるギフト
(実際はプロ並みの腕前でした) 
”トラックでIKEAに行くけど、何かピックアップはありませんか?“ 
というポスティングに 
”ちょうど大きな本棚を買おうと思っていたところ“ 
というレスポンスがすぐにあったりして、
助け合い精神から生まれたとにかく心の温まるグループです。 
子供の本やおもちゃなども
成長したので、次に使ってくれる人に
差し上げますというポスティングもよく見かけます。

 
 

先日、孫たちが親戚のお葬式に参加した時も、
3歳と6か月の女の子の黒っぽいドレス探しています
というポスティングに
沢山の家族から写真入りのレスポンスが集まりました。

誰かにものあげるという上から目線ではなく、
身の回りの物を効率よく活用し無駄を省き、
受け取ったものがこんなに役立ちましたという
ポスティング(Gratitude Posting)にみんなが喜びあう 
そんなCommunityを私はとても誇りに思います。
サステナビリティーが叫ばれている今、
身近なこんなところからリサイクルを考えてみてもよいのではないでしょうか?

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