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アメリカ便り~日本で浸透しないイースター

ー CVスタッフのコラムー     
By ロドリガス晴海(CV USA)

アメリカ便り~日本で浸透しないイースター

私はこのコラムでアメリカの行事を紹介し、
またそれらが日本ではどのような行事や習慣になっているかを語ってきました。
クリスマス、バレンタインデー、また10月のハロウィーンも
若者の大きなイベントになり、
宗教色を抜いて日本の独自の文化になっています。 
その反面、キリスト教国ではクリスマスよりも重要とされている
イースター”復活祭”が日本ではあまり浸透していないのは
なぜなのでしょうか?
憲法で宗教の自由を保障する日本は、
クリスマスが国の定める祝日ではありませんが、
11月からのクリスマス商戦で、
サンタクロース、プレゼント、クリスマスツリーは日本中で見かけます。
キリスト教信者でない家でもクリスマスの日には、
子供たちがサンタさんからのプレゼントを待ち焦がれます。
そしてチョコレート業界のキャンペーンによって浸透したバレンタインデーや、
和菓子店が提唱して根付いた日本独特のホワイトデーは、
日本独自の行事となり生活に浸透してきました。
ところが、イースターという言葉は、商業施設でもあまり見かけませんし、
キリスト教に縁のない方は、
“聞いたことがあるけど、卵とかウサギが出てくる日?” という程度の認識で、
“イエスキリストの復活を祝う日”であると言われてもあまりピンとこないかもしれません。 



写真:アメリカのイースターは、
クリスマスのサンタに代わりイースターバニーと写真を撮ります。
色とりどりに染めたイースターエッグを
前日ウサギが来て隠してしまうので、
エッグハントはイースター恒例の行事です。
(多産のウサギや卵は生命/復活のシンボルとされています)

イースターが日本であまり浸透していない理由を考えてみました。

1.移動祝祭日
イースターは、何月何日とはっきり決まっていません。
クリスマスの12月25日、バレンタインデーは2月14日、
また日付の決まっていない祝日でも感謝祭は11月の第4木曜日など曜日が定まっています。
イースターは “春分の日を過ぎた最初の満月の次の日曜日”
というとてもややこしい設定になっていて、
年によっては、3月最後の日曜日だったり、4月の半ばや後半になったりします。
ちなみに2023年のイースターは4月9日の日曜日です。
毎年決まった日でない為、ピンポイントのターゲットに向けた
キャンペーンができません。
12月25日が過ぎたらお正月飾り、2月14日の翌日から即ホワイトデーと
キャンペーンをきちんと企画する日本商法にはうまくはまらない祝日
の一つです。

2.日本の年度末、新年度と時期が重なっている
イースターが日曜日であること、
年によっては3月末で、卒業、年度末、決算、移動の時期と重なり、
4月であれば、新年度、歓迎会など、3-4月の日曜日に新しいお祭りごとの
行事をする暇がありません。
4月は桜の時期、日本の国民的行事であるお花見に重ねて
イースターを祝うのは、キリスト教信者に限られてしまうのでしょう。

3.復活という宗教的な観念が受け入れにくい
同じキリスト教の祝日でもクリスマスが
”イエスキリストの誕生を祝う日“
という意味はキリスト教信者でなくても日本人の間では広く認識されています。
誰にでも誕生日がありそれを家族や友人で祝う経験をもっているからでは
ないでしょうか? 
イースターは、復活祭:キリストが復活したことを祝う日です。
誕生に反して、復活という観念は自分で経験していないので受け入れにくいことが
要因の一つかもしれません。
宗教の自由を謳う日本では、キリストの復活を祝うことが
国民的行事にはなり難いと感じます。

まとめ
4月は日本では新学年、入学式や入社式で新しい門出を祝う時期ですが、
アメリカでは入学式や入社式という観念がありません。 
海外出展、海外市場開拓を検討されている企業には
進出先の文化を知ることもとても重要な第一歩です。 
日本が新年度で忙しい時、欧米のキリスト教国は長いイースター休暇に入り、
この期間のビジネスは止まるのでご注意ください。

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