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来場者数の書き方に見るCES的コトの考え方

ー CVスタッフによるコラムー
By 清水保彦(CV プランニングディレクター)
【来場者数の書き方に見るCES的コトの考え方】

この原稿を書いている1月22日時点で、
CESの公式サイトでの来場者、出展社数についての書き方は
下の写真のようなものです。

CESが終わって、もうすぐ2週間。
もう少し詳しい数字はないかと
「LEARN MORE」ボタンをクリックしても、出て来る数字は同じです。

日本の展示会なら、
始まる前に総出展社数、
終わったらすぐ総来場者数、
なんなら毎日の来場者数までが発表されると思うのですが・・・。

「大事なもの」が違う

たとえば今年のCESを視察して
社内に報告書を上げないといけない方々にとって、
ひょっとしたら「来場者数」「出展社数」は
最初に欲しい数字なのではないでしょうか?

CESに行かなかった人たちに、
何社がCESに参加し、
集まった人がどれだけ多かったかを説明する時に、
客観的な数字が一番分かりやすいですから。
その数字が、CESのスゴさを示す基準になるわけです。

CESの発表は、その数字があいまい。
「だいたい13万5千人は来たかな」
「出展社もだいたい4千3百社越えかな」
それ自体スゴい数字なんですが、表現の仕方がアバウト過ぎる。

どうも「厳密な数字」へのこだわりは無いようなのです。

昔、CESの主催団体であるCTAの広報官に聞いたことがあります。
「結局CESって何なの?」と。
答えは、一言。「Innovation !」

つまり、CES会場各所で起こっている
革新的な「コト」が大事なのであって、
入れ物の巨大さを現す数字は意味がない。
そう考えているのだと思えるのです。

日本への教訓

CESが世界中から注目され、
出展社や来場者が押し寄せるのは、
この「CESで起こるコト」の力だと思います。
数字は、そのコトの結果に過ぎず、
別に急いで発表する必要もないものなのです。

さて、日本の中を振り返ってどうでしょう?
「数字」を求められる報告書。
「来場者数」で判断される展示会。
「パンフ配布数」で評価されるブース運営。

脳科学者の茂木先生が、講義録かなんかで、
「アメリカの入試は、教授が合格者を決める」
「日本の入試は、得点の高い者から合格させる」と、
日米の大学入試の比較をされていたと記憶します。

その講義の対象となった東大生たちは、
「点数で選ぶ方が客観的で良い」と反応。
茂木先生は「だからお前らはダメなんだ」と逆襲。

すごく難しい課題だと思いますが、
「そこで起こるコト」の方を大切にする気持ち。
日本が世界に出て行く時にはこれが必要になってくると思います。

そうなれば、「万博跡地にCESを持って来れないか?」
という相談も出てこなくなると思います。

「持って来る」のではなく
「CES側が来たくなるコト」づくりをどうするか?
そっちの相談の方が、よっぽど取り組みやすいです。

CESの数字の発表の仕方を見て、そんなことを考えてしまうのです。

来年2025年のCES。
ぜひご自分の目と足で、
この「CESで起こるコト」のスゴさを実際にご体験いただきたいと思います。

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