海外展示会社の社窓(しゃそう)から見た日常 Vol.4
【海外展示会社の社窓(しゃそう)から見た日常 Vol.4】
By 大藪美和(CVエグゼクティブ・アシスタント)
世界最大のテクノロジー展示会 “CES初出展”
株式会社ヤギ 小柴様へ突撃インタビュー
新型コロナウイルスの影響により、
オールデジタルでの開催となったCES2021。
初のオンライン開催ということで、
いかに各ページへアクセスを誘導するのか、
出展社ページがどのような見え方となるのか等、
オンラインで見せることの難しさが多く挙がっていました。
そんな中でJAPAN TECH PROJECTが企画・実施した
有楽町“b8ta”でのリアル展示を組み合わせ、
CESに初出展された
株式会社ヤギ TECH TEXTILE PROJECT TEAM(243)の小柴 遼様に
CESそして、JAPAN TECH PROJECT@b8ta出展のご感想をお聞きしました!
【CES2021 出展の決め手は?】
大藪:CESを知ったきっかけ、
また出展を決めた理由をお聞かせいただけますか?
小柴:弊社のナノファイバー、
“NANOXERA(ナノクセラ)”という製品は、
“信州大学”と
韓国のナノファイバー製造企業“LIME社”との共同プロジェクトで、
2020年1月からスタートしました。
分野としては衛生資材、スポーツ・アウトドア衣料、
電子デバイス、フィルターなどに展開しております。
展示会には2020年1月に国内で
“nano tech”に出展した後、
ニーズの高かった電子デバイス用途の海外発信する場
として検討した結果、CESでした。
CESはエレクトロニクス系で一番著名な展示会だったので、
CESに出展することでブランドバリューが上がると思いました。
また今回のCES 2021がオンラインとなり、
出展の敷居が下がったのもポイントでしたね。
株式会社ヤギ TECH TEXTILE PROJECT TEAM(243) 小柴 遼様
【CES 2021、JAPAN TECH PROJECTに出展して実際どうでしたか?】
大藪:初のオールデジタル、オンライン開催となったCESですが、
出展して反響等はいかがでしょうか?
小柴:反響としては、非常に多くの引き合いをいただいております!
今回はCESと有楽町b8taのリアル出展で展示内容を分けていて、
CESではエレクトロニクス用途の
ナノファイバーを用いた
“ベントフィルター”を展示しています。
通気と防水、防塵が同時にできる
ナノファイバーの膜を採用していて、
車両ライトや電子部品等、
様々な用途で活用できるものとなっています。
CES出展社ページで動画もアップしていたので、
それを見た来場者から
「この製品は何からできているのか?
水を止めているのに通気もできるなんて!」という風に、
まず「この素材は何?」というお問合せをいただいたり、
「このサンプルを評価してみたい」というご依頼を
多数いただいております。
すでに世界的な家電メーカーや電子部品メーカー等に
サンプル発送も行っています。
また、普段繋がれないような企業に
弊社からもアプローチもできるので、
2月15日まで積極的にCESのプラットフォームを
活用していきたいと思います。
弊社は繊維分野では有名なのですが、
電子部品の分野ではまだまだ駆け出しで、
スタート地点にいるので、
こういった活動を続けていくことで、
「ヤギ=電子部品、フィルター、ナノファイバーを扱っている会社」
という認知度を上げていきたいと思っています。
大藪: 貴社の新たな分野の認知度の向上、
そして新たな市場の獲得という点で、
今回のCES 2021は有効にご活用いただけているということですね!
小柴:そうですね!
海外の方はまず1回、試してみよう、
評価してみようと、商談のスピードが早いので、
まずそこで製品を知ってもらえる良い機会になったと思います。
大藪:JAPAN TECH 、有楽町b8taでのリアル展示は
いかがだったでしょうか?
小柴:率直な感想としては、本当にいい機会になったと思います。
実はb8taという場所をそれまで知らなかったのですが、
すごくホットな場所ですよね。
最先端の技術や製品が集まるb8taに出している
ということで反響が大きく、
多くの方にお話を聞いてもらうことができました。
今回b8taの方では、
“マスク”(AirQUEEN by NANOXERA)を展示したのですが、
CESとのリンク効果もあって、
ブランドサイトのアクセス数も増え、
多くの方々に商品を知ってもらい、
“Amazon”や医療従事者用サイト“m3”などの
ECサイトより購入もいただけております。
新たに“楽天市場”もオープンし、
多くの方々がご購入し易いように展開を拡げております。
また、b8ta様からのフィードバックにより、
来店者の生の声も聴くことができたので、
さらなる製品クオリティの向上に活かしていきたいと思います。
【JAPAN TECH PROJECT @b8ta Tokyo – Yurakucho】 ブース写真
大藪:出展前に期待していたことと実際に得られたこと、
そのギャップはありましたか?
小柴:元々の今回の出展目的が
「グローバル企業とのリード獲得」
「CESに出展することのネームバリュー」
「世界の技術や潮流にふれる」
の3つでした。
そして、会期を経て
この3つはいずれも得ることができたと思っています。
特に電子部品用途はかなりハードルが高く、
企業に接触するのが難しいのですが、
今回出展社ページで動画や資料を見ていただいて、
ダイレクトにつながることができたのは
すごくいい機会となりました。
【CES 2022に向けて】
大藪:現時点でCES事務局からは、
CES 2022はリアルとデジタルを融合した
ハイブリッドで開催すると発表されていますが、
出展意欲はいかがでしょうか?
小柴:すごくあります!
展示会とは、継続的に出すことで
認知度が上がっていくと思うので、
ぜひ出展したいと思っています。
弊社の製品“NANOXERA”において、
エレクトロニクス用途が中核事業になり得る、
伸びしろが大きいと考えています。
その中でCESは相性が良い展示会だと感じているので、
今後も継続していきたいと思っています。
また今回展示したベントフィルターが
最終製品に比べると素材というところに近いので、
次回の展示会ではもう少し製品に近づけたものを開発して、
よりわかりやすい展示にしたいと思います。
大藪:“ハイブリッド”という形はいかがでしょうか?
小柴:やはり来場者の生の声を聴くというリアルの場は必要ですし、
逆にアクセスの良さやオンデマンド視聴、
会期後のコンタクト等、
オンラインの良さも今回のCES2021を通して感じたので、
それぞれの良さを活かしながらハイブリッドでできるのは
出展社にとっても非常にメリットがあると思います。
また今回のJAPAN TECH PROJECTの
有楽町b8taでのハイブリッド展示は
非常に反応が良かったので、
今後もこのようなコラボレーション企画があれば
ぜひ参加したいと思います。
大藪:また来年はさらに進化した形での展示が期待されますね!
小柴様、本日は貴重なお話をありがとうございました!
<関連リンク>
NANOXERA(ナノクセラ)⇒https://nanoxera.com/