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47th Winter Fancy Food Show 2023リポート

ー CVリポートー
By アーカス・リツコ(CV メルマガ編集長)
【47th Winter Fancy Food Show 2023リポート】

1月15~17日にかけて、ラスベガス・コンベンションセンターにて、
47th Winter Fancy Food Show 2023が開催されました。
私が個人的に最も好きなこのショーはFancyと名のつく通り、
少し高級感があり、付加価値の高いオーガニック・グルメフードが
世界各国から勢ぞろいする食の祭典です。

出展品目は、ドリンク類や、お茶、ジャム、
クッキー・チョコレートなどの菓子類、
ハム・ソーセージ、チーズ・乳製品、
パスタ・米などに加え、調味料、ソースなどで
その種類は多様です。
来場者も多種多様。
バイヤー、ディストリビューター、問屋さんからシェフなどが、
新しい食材、食品を求めて、ブースを吟味して回ります。
そして、この展示会で一番嬉しいのが、試食し放題なところ!
ランチタイムになる前に試食だけでお腹いっぱいです!

今年はイタリア、フランス勢が元気で、
チーズ、ハム類がたくさんブースを出展していました。
Daily Stateと呼ばれるウィスコンシン州からも
チーズのブースが軒をつらねており、チーズの奥深さを実感しました。
原料や加工法によっては1000種類あると言われるチースですが、
アメリカ産は、代表的なチェダーチーズの他、
カッテージ・チーズやクリームチーズなどが、
ヨーロッパ産は、ロマーノ、モッツァレッラ、
ペコリーノ、マスカルポーネなどが
各社独特の製法で作られており、味比べができました。
ワイン片手に楽しめればさらによかったのですが…(笑)

今年のショーのトレンドの一つはPantry without Borders。
つまり、料理に国境なしということ。
世界各国のレシピ、スパイス、食品が混在して
新しいUmamiが出来上がると言うことで、
会場には四川風チリクリスプ、西アフリカ風シトーソウス、
メキシカンサルサ抹茶味(!)などなど、
よくぞその組み合わせを考えた!
というようなクリエイティブなものから、
それはちょっと…というものまで
新しい味の数々が披露されました。
日本の食材もUmamiを加えるためには大活躍です。
ソースのテリヤキ風味はすでに定番ですが、
抹茶、ゆず、シイタケ、海苔、味噌、醤油、
ごま油、ウコン、ショウガなども
すでに誰もが知っている食材として
各国の料理のレシピの中に浸透していると感じます。
また発酵食品や代替えフードは引き続き人気があり、
植物由来のバター、寿司、シーフードが紹介されていました。

そして、ヨーロッパ各国のパビリオンに劣らず
活気を見せたのが、Japan Foodのパビリオン。
今回は、JETROのブースには32社が出展。
その品目は多岐に渡り、ラーメン、お茶、おせんべいはもちろんのこと、
甘酒、鹿児島牛、青森産ホタテ、バター、漬物、黒ニンニク、米油、ゆずなど、
日本にいてもなかなか目にすることができないだろう逸品が揃い、
一つ一つの商品の担当者様とお話をしていると、
その思いに胸が熱くなる思いでした。
その中でも福島の復興のシンボルとして生まれた
ブランド米、「天のつぶ」は注目を集めました。
15年の開発期間をかけ、完成した旨味の強いお米です。
今回はお米の他に、パックライスをご紹介。
添加物ゼロの炊き立てのご飯が電子レンジで
チンするだけで食べられます。
福島県は東日本大震災後の放射能汚染の問題で
お米や食品の輸出が禁止されていましたが、
2021年末より解禁されています。
天にまっすぐ伸びる稲の強さのイメージから
福島県も復興支援のシンボルにもなっている
「天のつぶ」が世界中の方々に愛されていくことを願ってやみません。

そのお隣は、
日本醤油協会(Japan Soy sauce Association)の
Shoyu Islands Japanと題したパビリオンがあり、
日本を代表する醤油メーカーが12社出展。
優れた商品を紹介しました。
どの商品も素晴らしいのですが、
私の実家のご用達の醤油メーカーで
子供の頃から慣れ親しんだ鎌田醤油を見つけて大感激。
しばし母が作った煮物やお惣菜の数々を思い出し、
一人なつかしさに浸ってしまいました。

「食べることは生きること」と言われます。
植物や動物、その命を受け継いで私たちは成長し、生きていきますが、
何を食べるかというのは、何を大切にし、
生きていくのかという選択とも等しいのです。
環境に配慮し、健康に良く、
バランスの取れた食事を摂るということは、
丁寧に日々を重ね、社会と向き合い生きていくということです。
また、食から得られるイマジネーションは無限大です。
ファンシー・フードばかり食べて生きていくことは
難しい製造者の真心が感じられる食品を
選んで生きていきていきたいと
改めて感じた展示会でした。

日本にはまだ世界に知られていない食材、
企業がたくさんあります。
大切に真心込めて作られた日本の製品や食材が
世界の市場に出ていくために
私たちがサポートさせていただければ
それに勝る喜びはありません。

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